やぎりん日記

やぎりん!こと、作曲家の八木澤教司の日記です! 日々の体験や感じたことを書いていきます!
Subscribe

Archive for 5月 1st, 2010

◎ 台湾 第5日目【第4回台湾クリニック・客演指揮&公開講座】

5月 01, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

本日は台北の三重市で開催される第4回台湾クリニックにて公開講座(マスタークラス)と本日のメインイヴェントである中華民国空軍楽隊(The Air Force Band)の客演指揮があります。士官長の劉之傑さんの指揮で1曲、秋山紀夫先生の客演指揮で1曲、そして私の指揮で4曲+アンコールという流れ。秋山先生と同じ舞台に参加できるのも夢のようなことです。又、同時に数十年かけて秋山先生が築かれてきた海外との親交と信用を考えるとこのメインステージで私がミスをする訳にはいきません。緊張と気合いの入り乱れた不思議な心境の中、午前のリハーサルを無事に終えました。

午後になると、いよいよ台湾クリニック開始。クラリネット奏者の三浦幸二さんが行う公開講座(マスタークラス)が始まることもあり次第に人が増えてきます。ウインドアートのブースにも訪問者が見え始めました。三浦さんの公開講座は会議室で行われましたが満席。武蔵野音大の後輩である吳家雯(ケリー)さん(台湾のサクソフォーン奏者)が本日より通訳としてヘルプしてくれて的確に三浦さんの説明を受講者に伝えています。三浦さんはクラリネットの入門編に重点を置いて進めていましたが多くの受講者から質問攻めにあうほどの濃い内容。

終了後は私の公開講座。私の方は大ホールと中華民国空軍楽隊をモデルバンドとしてご用意頂いたので、せっかくなので夜の演奏会に絡めた内容にすることにしました。東北福祉大学吹奏楽部音楽監督の松崎泰賢先生もいらしてくれているので委嘱作品【ヘリングの朝】を使用することにしました。資料を作成し配布。45分の限られた中で吳家雯(ケリー)さんの通訳で作曲の経緯、作品のストーリーを解説。断片的なテーマをバンドに演奏して頂きます。そして松崎先生を初演指揮者ということでご紹介し作品へのアドバイスもお話頂きました。秋山先生もご多忙の中ご来場くださり激励を頂けました。写真(左)は松崎先生が福祉大の学生へ台湾クリニック記念デザインTシャツをお土産に購入しているところ。写真(右)は左より士官長の劉之傑さん、台湾クリニック主催者の黄健能さん、私、三浦さん。

夜からは演奏会が開始。ウインドアート出版のブースにも多くの訪問者が。何と空軍のメンバーもたくさん買ってくださっているのです。士官長の劉之傑さんをはじめ隊員の皆さんは“今回初めて八木澤さんの曲に触れました。他にも聴きたい、演奏したい”と笑顔で話しかけてくれます。もちろん今日は吳家雯さんが完璧に通訳してくれています。神長さんは“持って来たCDがもうほとんど無い。どうしょう…”と泣きそうです。止むを得ず[売切れ]の広告を出して対応。台湾の大学生バンドの演奏が終わり、本日最終プログラムである中華民国空軍楽隊。リハーサル通り息の合った演奏が出来てラストを飾った【ヘリングの朝】では渾身の熱演となりました。今までの英単語と歌って説明するコミュニケーションでは音の形や音量、フレーズ感は説明できても曲のストーリーは伝えることはできません。ですが本日の公開講座で吳家雯さんが私のイメージを中国語で細かなニュアンスまで伝えてくれたからこそ、なぜ私があそこまで必死に汗をかきながら伝えていたのかが判ったのだと思います。八木澤コラールが鳴り響き聴衆の大歓声と共に幕を閉じました。普段、厳しい松崎先生も本当に素晴らしかった、と喜んでくださり今回の任務を無事に終えることができたのだ、と感慨深く思いました。終了後は大宴会。写真は秋山先生と鍋。そして隊員の皆さんと共に。あとは明日の午前中のコンクール審査のみ。身体が物凄く痛いしクタクタです。実は明日の朝一番で松崎先生は帰国されます。三浦さんと3人で2次会を行い、松崎先生無しでは今回の成功はなかったと感謝の気持ちを込めての乾杯!この台湾旅行では松崎先生の新たな一面も垣間見ることが出来て本当に楽しかったです。