やぎりん日記

やぎりん!こと、作曲家の八木澤教司の日記です! 日々の体験や感じたことを書いていきます!
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Archive for 6月, 2010

◎ 父に寄せて…

6月 15, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

本日は集中して作曲を行う予定でしたが、どうしても上手く集中できず、父の入院している病院へ行きました。実は日本吹奏楽指導者クリニックの最終日(5/16)に母から電話があり、父が急に脳梗塞で倒れ病院に運ばれたことを知りました。高齢ではありますが年末には一緒に元気でイタリアにも行き、そして浜松に行く直前にも元気な顔を見ていただけに信じられない気持ちと現実を受け止めなければならない想いで一瞬、平常心を失うほどでした。浜松から急いで戻り病院に駆けつけるといつもとは違う弱気な父。左半身が急に自由が利かなくなるという後遺症を背負ったのだから当然です。ちょっと前までは元気に口喧嘩していたのにエネルギーが明らかにない父にショックの気持ちでいっぱいでした。母の前では絶対に泣くまいと我慢していた私でしたが、自宅に帰るといつも一人で泣いていました。私は心より父を尊敬していて、これまで世界中で素晴らしい人にたくさん会ってきましたが私の一番の目標はやはり父なんです。いつも厳しく的確なアドバイスを頂いたからこそ私はこれまでやってこれました。父が何とか元気になるよう祈る毎日を送ってきました。

お陰様で父は奇跡的な回復をし現在はリハビリに励んでいます。この速い回復ぶりは医者が一番驚いている様子です。関係者の皆様にはご心配をおかけしました。現在は私の曲を流しながら辛いリハビリに励んでいるようです。私は3人兄姉の末っ子なので現実的には両親と接する時間が兄姉より一番少ないと自覚しています。ですが、一日でも多く元気な両親を見ていたいですし、自慢できる息子に早くなれる日が来くよう頑張りたいです。今日、父に会い「まだまだ大丈夫だ」と確信したので個人的なことですが書かせて頂きました。完治し再び一緒に旅行できる日を夢見て。写真は父がイタリアで最も喜んだバチカン博物館。

▽ Asahi !

6月 14, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

今日はやはり昨日の疲れ、いや今までの疲れが溜まっているのか、なかなか集中力が出ない。今日と明日しか自宅にいることができないので作曲はもちろんメールの整理や事務的なこと、尚美の授業の準備などもしなくてはいけません。自宅にいるからといって、2日間休みという訳ではない。むしろ精神的には厳しい状況となります。無駄に時間が過ぎて行く感じがして集中できません…。しかもとても眠い。そこで仮眠を取ることに。寝る前に何か飲もうと冷蔵庫(基本的にドリンクしか入っていません)を開けるとAsahiの“2010株主様限定特製ビール”があることに気づく。裏面には“日頃のご支援に感謝し、株主の皆様だけにお届けする株主様限定特製ビールです”“非売品”と載っています。年始にはJALの株で大損をしたにも関わらず、これを呑みたいためだけにアサヒビールの株を購入していたのです…。呑んでみると…。確かに少しフルーティーな感じ…で新鮮すが、そんなに珍しい感じには、海外のビールでも似た感じがありそうな…あれ、やはり疲れているのかなぁ、というのが正直なところ。まだ数本あるので体調を整えて再び呑んでみようと思います。今週末は再び高知、来週はまたまたシンガポール。夏に向けてどんどんハードになっていきそうです。

☆ 第11回東関東選抜吹奏楽大会

6月 13, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

今日は厚木市文化会館で開催される第11回東関東選抜吹奏楽大会の当日。私は東関東高等学校選抜バンドの客演指揮をするため残された3時間の練習のため厚木中学校体育館に向かいます。昨日の2時間の公開リハーサル、そして今日の午前中の練習のみで夕方の本番を迎えるのはなかなか大変なこと。昨日までにアンサンブルの練習が物理的にできない打楽器パートが特に苦労しました。特殊な効果をねらった奏法の説明にも時間を要しますし、テンポアップした時のマルチパーカッションの組合せはセクション練習をしてからの合奏でないので時間が足りません…。かといって打楽器だけの練習もしている時間も無く、お昼休憩の時に時間を取って打楽器セクション練習をしたり、合奏で打楽器を取り出す時には管楽器パートの皆さんには歌で一緒に参加してもらうなどで、なるべく時間に無駄のないように練習を進めました。生徒さんたちの集中力は大変素晴らしいく指摘したことはすぐに改善されるので「もう少し時間があれば!」という想いと、「今ここでできることは何か」という想いで私自身の気持ちの葛藤があります。今回はコンクールではない。完璧な演奏を目指しても仕方が無い。このメンバーで本番を迎えるのは最初で最後。たった一回だけのバンド。ですが、たった一回が一彼らにとって一生の想い出になれば素晴らしいことです。だからといった私が「これぐらいでいいや」と妥協してしまうことは、意欲的な彼らに失礼ですし、作曲家としての想いが彼らに伝わらないと思い、タイムリミット限界までできる限りのことを伝えました。会場に着いてからミーティング。音は出せなくても打合せはできます。最後の確認とインペクの、さだっちからの熱い一言をもらい記念に写真を撮ってチューニング室へ。チューニング室では30分ほど時間がありましたが、チューニング係の、あきかぴょんに手短かにチューニングしてもらい残りの時間は各パートリーダーに激励の言葉をもらうことにしました。再び和やかな雰囲気になって私も「本番は細かなことに気にせずお互いの呼吸を感じた音楽をしよう!」とだけ伝え舞台袖へ向かいました。

本番は私は当然、客席で聴いていないので、どんな演奏に聴こえたのか正直判りません。午前中の体育館とホールでは音響は全く違うし、細かな事故もありました。ですが、生徒さんの集中力は一番のピークに達していましたし、演奏中に指示を出したことにも反応が良く「作られた音楽を発表する」というよりも「この場で音楽を作っていく」といったライヴ感のある演奏になったと思います。確実に言えることは昨日初めて顔を合わせたメンバーによる演奏には聴こえない音楽になった、ということです。彼らがコミュニケーションをしっかりと取り、お互いの気持ちやタイプを感じ取り、そして音楽面でそれを生かすことが出来たことは素晴らしいことだと思います。それぞれの学校へ明日、帰ってからもこの経験は生きるのではないかと思います。演奏終了後に最後のミーティング!「やぎりんゲーム」「やぎりん締め」にて解散。名残惜しいのか、なかなか皆さんは帰ろうとしませんでしたが、引率の先生と共に少しずつ解散。最後まで見送って無事に演奏会を終えることができました。私自身とても勉強になり楽しい時間を過ごさせて頂きました。メンバーの皆さん、そしてこのような機会を与えてくださった東関東吹奏楽連盟の皆様に心より感謝します。写真は実際には演奏をしていませんが裏方としてメンバーを支え協力してくれた神奈川県立愛川高等学校吹奏楽部の皆さんと顧問の但野豊先生。一生懸命頑張ってくれたのでCDを贈呈。

厚木駅で偶然にも引率中の千葉県立松戸六実高等学校吹奏楽部顧問の吉田直先生とバッタリお会いして、地元の本八幡駅で臨時打上げを行うことに。時々私が利用する寿司屋をご紹介しカウンターにて美味を堪能。吉田先生にはデビュー時代に大変お世話になりました。ですが、こうやって吉田先生と2人で呑むのは初めてかもしれません。想い出話をしているともう22時。2次会としてBARへ。吉田先生にハイランドパークやカルヴァドスをご紹介!私はワインを楽しみました!とても充実した1日でした!

◆ 本厚木!

6月 12, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

本厚木のホテルで目を覚ます。今日は明日の第11回東関東選抜吹奏楽大会でメインに出演する東関東高等学校選抜バンドの練習。私は客演指揮をすることでお招き頂きましたが、実はメンバーが初めて顔を合わせるのが本日かつ、舞台上で初めての音出し、しかも公開リハーサル、といったハードな内容。公開リハーサルの2時間弱で4曲練習をしなくてはなりません。何よりも東関東の神奈川、千葉、茨城、栃木の4県から選ばれた生徒さんが初めて顔を合わせるのだからお互いに緊張もあるだろう。そして、明日、3時間の練習をしたら、すぐに満席の聴衆の前で本番となる。私にとってもドキドキ感のあるステージになりそうです。

まずは11:30から結団式ということで生徒さんが引率の先生と共に少しずつ集まってきます。高校生が60名もいるのに集会室は何故か恐ろしく静か…。緊張感が漂います。14時過ぎからチューニング開始、その後、舞台上で公開リハーサルとなるのに、この雰囲気では良いリハーサルにならないかも…。そう心配に思った時に昼食後の13時〜14時まで運良く自由時間があることに気づき、臨時にミーティングをすることに決定。まず、こういった時に最適な「やぎりんゲーム」を行い優勝者にCDのブレゼント!そして、やぎりんステッカーを全員に配布するといつのまにか和やかな雰囲気に!そしてインペク(リーダー)とチューニング係を決め、その2人に協力してもらい、自己紹介タイム。パートごとに行いパートリーダーも決定。立候補する人もいれば、推薦されて決意する人もいましたが、この時間で更に活気のあるムードになっていきました。そして、インペクの、さだっちに熱い呼びかけをもらいチューニング室へ。チューニング係の、あきかぴょんも短い時間でしっかりと音合わせをしてくれました。その後、チューニングリレーによって各メンバーの発音、処理、音色などをチェックさせて頂き、声によるチューニングを軽くして舞台へ。今回、演奏する曲は【奇跡のつぼみ】【サグラダファミリアの鐘】【稜線の風】【Believe】。2日のみの練習で本番を迎えるには難しい曲ではありますが、メンバーの反応は予想を遥かに超えるほど良い。ちょっとポイントを伝えると音楽の前進も溜めもすぐに反応してくれます。明日はホールでは練習できないので今日のうちにホールの雰囲気を覚えなくてはなりません。細かいところは明日にして響きを身体で感じてもらうように心がけました。生徒さんの意欲と気合いのお陰で無事に公開リハーサルを終えることができました。ですが、まだまだ課題はいっぱい。明日の3時間が勝負です。

夜は東関東吹奏楽連盟の役員の先生方とホテルにて懇親会。そして2次会は何チームかに別れて行われることになり、私はホルモン焼きのお店の方に行かせて頂きました(写真)。美味しくてたくさん食べて呑んでしまいました。そして3次会としてBARでワインを楽しみ、その後、千葉県立松戸六実高等学校吹奏楽部の吉田直先生と合流し4次会。吉田先生は千葉県立市川西高等学校吹奏楽部に勤務されている時代に大変お世話になった恩人でもあります。久しぶりにお会いして呑めたので深夜2時過ぎまで盛り上がりました。写真は左が茨城県吹奏楽連盟事務局長の鎌田智之先生、右が吉田先生。ここでも楽しく呑んでしまいました。今日はいつも以上に呑んでしまった気がします…。

■ 大学の先輩

6月 11, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

今日は明後日に開催される第11回東関東選抜吹奏楽大会に備えて神奈川県厚木市へ移動。本来は出発ギリギリまで作曲をしてから出かける予定でしたが先日、武蔵野音大の1つ上の先輩である野澤俊夫さんより十数年ぶりにお電話を頂き、生徒に激励をとのことで三鷹市立第一中学校吹奏楽部に立ち寄らせて頂きました。9月までスケジュールがぎっしりでした今日だけ新宿を経由することもあり、幸いにも三鷹は近く本当に良かったです。

学校へ到着し野澤先生に電話すると、何名かの生徒さんと共に走って校門までお出迎えをしてくれました。息を切らしながらニコニコと明るい生徒さん。当然ながら野澤先生の音楽面、生活面の指導は知りませんでしたが、この時点で何か期待感の持てる良い雰囲気が伝わるようでした。実際に音楽室で演奏を聴かせて頂くと練習しているのは【輝きの海へ】。野澤先生も生徒さんも特にコラールでは想いの伝わる表現をしていましたが、何よりも良かったのは練習時の生徒さんの雰囲気の良さ。私がイメージを説明すると、判ったか、まだ理解していないのかが顔の表情ですぐに判るのです。また隣同士で「やっぱり!」「そうか!」みたいなちょっとした話をして相槌を打つのです。「ハイ!」と勢い良く返事をするバンドとは数多く出会いましたが、こういったバンドは新感覚で楽しかったです。とにかく明るい生徒さんで今後が期待できそうです。

終了後は新宿駅でカリスト・シンフォニック・ウインド・オーケストラの音楽監督・常任指揮者の石川徹先生と野澤先生と3人で臨時宴会。石川先生と野澤先生は初対面でしたがすぐに意気投合。実は野澤先生はクラリネット奏者の三浦幸二さんと同期。ということで三浦さんに電話したりなど本厚木へ向かう電車に乗るギリギリまで楽しみました。写真は左が野澤先生、右が石川先生。本当に楽しい1日でした!

○ ひまわり、15本

6月 08, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

今日は中学校としての初の委嘱作品となる【「ひまわり、15本」— ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに寄せて】の練習のため新潟県長岡市立中之島中学校吹奏楽部に伺いました。これまで中学校からの委嘱は私のポリシーもありお引き受けしていませんでしたが、同吹奏楽部顧問である桐生聡先生とはデビュー当時から親しくさせて頂いていること、この数年間に何度か練習にお邪魔させて頂く機会に恵まれ先生の熱いご指導、生徒さんの音楽に取り組む姿勢を肌で感じ感銘を受け作曲をお引き受けすることにしました。何よりも部活の体制、特に生活指導に関する雰囲気が私自身の卒業した当時の中学校吹奏楽部にどことなく似ていることが愛着を持った理由なのかもしれません。作曲にあたって桐生先生より作品のテーマ、展開の仕方、楽器の指定、演奏時間といった細かな資料を頂き、時には同じ歳ということもあって電話で議論をしながら書き進めていった作品。桐生先生は「自分のバンドだけではなく出版された時に多くの中学生が親しみ取り組みやすいように」という強い信念があり、技量に関してもそうですが「チャイムなどの大型楽器は極力使用しないで欲しい」といった教育現場ならではの要望もありました。「絵画シリーズ」というだけでも重いテーマかつ、このような制約があり苦労はしましたが、一ヶ月ほど前にようやく完成し本日実際に聴かせて頂くことになりました。 

桐生先生と2年ぶりにお会いして握手。桐生先生の想いを改めて聴かせて頂きながら校舎へ向かいます。先生の音楽に対する情熱、生徒さんのことを第一に考え試行錯誤されていることが痛いほど伝わり、本当に素晴らしい先生だなぁと感動しました。校舎につくと武蔵野音大の後輩であり同吹奏楽部の金管トレーナーの藤田豊先生と再会。先日の浜松のクリニックの時にも既にスコアを手にし、常に勉強されている様子の伺えた藤田先生。生徒さんたちと玄関までお迎えにいらしてくれていました。本当に雰囲気の良いバンドだ。やはり自分自身の中学校吹奏楽部のスタイルにとても良く似ていると再確認。実際に演奏を聴かせて頂くと、とても優しく温かいサウンド。桐生先生と生徒さんの信頼関係の伝わるサウンドだ。まだ譜読みをして一ヶ月足らずだというのによくここまで演奏しているなと感心。私が指摘した箇所は、その場で見えるように修正していける生徒さんの能力にも驚きました。参考音源もない、頼るガイドのない作品を一生懸命「自分たちの音楽」にしていく様子には感動しました。4時間近くの練習は、時間を感じさせないくらい速く過ぎて行きました。それは恐らく生徒さんの気合いが一瞬たりとも途切れることがなく「やる気のある目」を常に見続けていたからであろう。1つの作品を書き上げることは辛い。ですが、こういった瞬間に立会えると「作曲家になって良かった」と思います。中学2年生の時に“作曲家になろう!”と心に決めた当時を想い出す楽しい時間を過ごさせて頂きました。桐生先生と生徒さんに心より感謝します。

終了後は打合せも兼ねて桐生先生と藤田先生と宴会!そして何と新潟から新幹線で新潟明訓高等学校吹奏楽部顧問の桝口和義先生が駆けつけてくれました。桝口先生もデビュー当時からのお付き合い。新潟県で最も八木澤作品を演奏しているという意味でも最近は全国的に知られています。そして元・長岡市立東北中学校吹奏楽部で【輝きの海へ】を演奏してくださった河野純子先生も柏崎より駆けつけてくれました。桝口先生と河野先生は同時期に【輝きの海へ】を選曲されていて、デビュー当時のまだ駆け出しであった私は何度も新潟に伺い先生方に励ましを頂きながら練習のお手伝いをさせて頂いていました。河野先生の演奏する西関東大会での感動的な【輝きの海へ】は今でも鮮明に覚えています。写真右は桐生先生(左)と藤田先生(右)、写真左は左から私、河野先生、桝口先生。あまりの楽しさに、もの凄い勢いでビールを呑んでしまいましたぁ。料理も最高!

二次会は桐生先生の関係で他の学校の先生方の宴会に合流。何と偶然にも東京から出張中?のバンドディレクターである野上博幸先生、打楽器奏者の寺山朋子先生にも再会。他にもたくさんいらした記憶がありましたが吞み過ぎで記憶が曖昧です。写真は左から野上先生、桐生先生、寺山先生です。二次会終了後、ホテルへ戻りましたが、フロントでラーメン終止をすることが決定!桐生先生と藤田先生と3人でラーメン屋めぐり。かなり探してようやく辿り着きました。今回は普通にラーメンを食べようとしたら、桐生先生より“三条名物のカレーラーメンを食べてください!”とのご推薦。ここは三条ではなく長岡では?と一瞬思いましたが、結局試してみたくなりカレーラーメンを。。。とても美味しく後悔はしませんでしたが、カレー蕎麦がラーメンになっただけ、のような気がします…。桐生先生とがっちり握手をして解散。楽しい一日でした!

◆ 天と大地からの恵み

6月 06, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

高知のホテルで目を覚ます。本日は羽田空港より栃木県小山市へ直行。6月13日(日)に開催される小山市交響吹奏楽団第30回記念定期演奏会の委嘱作品ファンファーレ【天と大地からの恵み】の練習への立ち会いのためです。実は昨年、常任指揮者の原進さんと 団長の田口博幸さん、コンサートミストレスの田口奈美さんより「結成30周年の記念ファンファーレをぜひ作曲してください」とご依頼頂いた時には既に同日は先約の客演指揮が決まっていました。私は「当日に伺えないのに申し訳ないので…私で本当に良いのですか」と遠慮気味に返答すると「太陽への讃歌を演奏した時に八木澤さんに出会ってぜひと思っていました」と温かいお言葉を頂き「本番に伺えない分、必ず直前の練習へ駆けつけ私の想いをお伝えします」という経緯となり完成に至った作品。原さんはCD【死者の支配する国】のレコーディングメンバーであり、その時に出会ってからのお付き合い。その後、原さんの指揮する東海村吹奏楽団の委嘱作品【カンティレーナ】を作曲させて頂くなどで今でも親しくさせて頂いています。原さんはとにかく人柄が素晴らしい。こんなに良い人がいるんだぁ、と思ってしまうほど温かい指導者です。今日は久しぶりの再会、そして夜の宴会ということも想定し体調を整えるためグリーン車で仮眠を取りながら間々田駅へ向かいました。少し早めの時間に到着したこともあり原さんのレッスンを見学させて頂きました。やはり穏やかな口調は健在。本当に優しさのある指摘、思いやりのある言い回し。それでいて核心を突いた一言一言に説得力のある指導。とても勉強になりました。【天と大地からの恵み】も聴かせて頂くと原さんらしい音楽創り。指揮者の人柄とバンドのカラーを知った上で作曲しているので、まさに答え合わせをするような楽しい時間でした。しかしながら原さんは更に音楽を工夫しようと妥協は一切しません。「八木澤作品はこうあるべきだ」という信念が伝わる演奏で感動しました。バンドのクォリティも更に上がりハートフルでエキサイティングな演奏になりました。当日、聴けないのが残念です。心よりご成功をお祈りします。

終了後は懇親会。本番一週間前だというのに多くの団員さんたちが参加してくれました。とても楽しいメンバーでガンガン呑んでしまいました。何とに二次会はこの団の独特な形式で焼肉屋。。。一次会が中華料理だったにも関わらずたくさん食べてしまいました…。写真左は原さんと。写真右は、さゆりんと。さゆりんは本番当日に流す予定のビデオレターのインタビュアを務めました。何故か宴会場での撮影…。そんな場所で本当に大丈夫だったのでしょうか…。

3次会は何と!ラーメン終止。実は昨日も高知で食べているので連続3日となります…。デラックスというものでかなり強烈です。今日もたくさん呑んで食べてしまいました…。明日は自宅に帰って、明後日はすぐに新潟へ。今年は基本的に「コンクールに向けて」の指導はお引き受けしていないので例年よりはハードではありませんが、それでも移動は多いので疲労は溜まります…。体調管理には気をつけなくてはなりません。

☆ お団子ヘアの女の子!

6月 05, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

ホテルで目が覚めて急いで羽田空港へ!今日は高知で6月19日(土)に高知県立美術館ホールにて開催される第18回高知クラリネットフェスティバルのクワイアー客演指揮の練習及び、高知クラリネット協会の委嘱作品クラリネット4重奏曲【お団子ヘアの女の子】の立ち会い練習があります。高知に行くのは今回で2回目。実は本番には【死者の支配する国】の委嘱団体である愛媛県立南宇和高等学校吹奏楽部の元・顧問である土居俊一先生も聴きに駆けつけてくださると伺い久しぶりの再会を心待ちにしています。又、大学の一つ下の後輩のクラリネット奏者である持丸秀一郎くんも偶然ゲストで招かれているようで十数年ぶりの再会となります。“四国から中学生から取り組めるようなクラリネット4重奏のレパートリーを発信しよう!”といった会長の岡松治彦先生とのプロジェクトがまたまた色々な縁に繋がりそうです。高知空港には岡松先生と娘さんのユン!がお迎えにいらしてくださり、桂浜に連れてってくれました。ちなみにユン!は高知大学在籍中にアンサンブルコンテスト全国大会で【パーテル・ノステル】を演奏してくれています。

砂浜を少しの間、観光して中華料理店へ。こちらには事業部長を務められる駒井清美さん(きよみん!)も同席され当日の打合せを。そしていよいよクワイアーの練習。今回、私が指揮をさせて頂くのは【パーテル・ノステル】【アルテミスの嘆き】の2曲。とても反応の良いクォリティーの高いメンバーばかりで、更にとても穏やかな雰囲気でとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。写真左は陰山洋隆先生の指揮による練習。とても判りやすい指導をされていて最後まで練習を見学させて頂こうかと思いましたが、別部屋で【お団子ヘアの女の子】の練習があり移動。写真右は練習風景。岡松会長と2人の娘さんもメンバーとなっています。岡松会長より“中学生ならばアーテュキレーションをこうした方が親切ですね、でもやはり理想はこのままかなぁ”と、いった吹き比べもして頂きながらの最終版を一緒に考えていきました。とても勉強になる時間でした。当日は素敵な演奏になりそうです。

終了後はメンバーの皆さんと共に郷土料理と共にお酒を!とにかく珍しいものかつ美味しいものばかり。感激の連続でした。写真は岡松会長と娘さんのユン!(左)、カナーコ!(右)です。皆さんとても気さくで温かい人ばかり。料理の解説を頂きながら楽しい時間を過ごさせて頂きました。それにしてもカナーコ!はお酒強い…。私は負けました…。

◎ 浅利真!

6月 04, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

今日は作曲レッスン補講のため金曜日ですが尚美に出勤。台湾遠征のためにお休みしてしまった分です。その後、クラリネット奏者の三浦幸二さん、シンガポールで助けて頂いた打楽器の鶴田灯さんと共に文京シビックの展望レストランにてディナー。今月末に再びシンガポールへ行くにあたってのアドバイスを頂きました。デング熱という蚊によって伝染する病気があるらしく三浦さんも私も恐怖を…。しかも恐ろしく熱く湿気もあるとのこと。覚悟が必要です。

その後、浜離宮朝日ホールに移動し大学同期であり親しくしているサクソフォン奏者の浅利真くんが主宰するヴィーヴ!のリサイタルへ。会場にはピアニストの織茂学さん、ウインドアート出版の神長一康さんといったいつもの仲間に加え、大学時代の面々など同窓会のような雰囲気で楽しめました。中学&高校生も多く聴きに来ていてヴィーヴ!の人気が益々高くなっている様子が伺えました。今後もご活躍を楽しみにしています。

終演後は関係者を含めた打上げ。私は明日から高知へ飛びたつ関係で羽田空港近くにホテルを予約!遅くまで打上げに出席させて頂いた後、三浦さんと共にラーメン終止&ミィーティングを行いホテルへ。ラーメンには肉がたくさん。。。お腹いっぱいです…。

● CUT!

6月 03, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

毎年この時期になると嬉しいことに作品についてのお問い合わせを多数頂きます。4月、5月くらいまでのメールの返信は比較的に早めにできますが(時々、アドレスのエラーで返信不可能な場合がありますので送信前にメールアドレスのご確認を!)、6月〜8月はシーズンということもあり2週間くらい自宅に帰らないこともあり、メールを読むのが場合によってはその団体にとってコンクール終了後であることもあるでしょう。特に質問が多いのは「作品のカット」のことですが、こちらに関しては団の個性や技量も知らないのに安易に回答ができないので「団の納得のいくようにカットすることを許可します」としかお伝えできません。私にとってハーモニーや展開を踏まえてお伝えしたカットがたまたま“団にとって苦手なところばかり”になってしまうこともありますし、実はカットだけでは解決できないこともあります。誰の作品問わず“良いカット”というのは本来無いはずだと思いますし、それをコンクールの規定上カットする訳ですから、多少強引になってしまうのは仕方がないのかもしれません。ですが“良いカット”は無くても“音楽がスムーズに流れるよう聴かせる”ことは実際には可能です。それはカットした場所に薬を塗ったり、包帯を巻いたりといった温かみのある手当をした場合にのみ起こり得ることで、単に“2小節目から5小節目をカット”というような事務的なメールの返信では上手く伝わりません。ですから団独自で歌って考え、悩んだゆえに選ばれたカットの方が納得が行って良いのではないかと思うのです。時々、練習にお伺いして作曲した私でさえ違和感無く聴こえてしまうような“カット”に出会うことがあります。ですが、その時は決まってカットした場所に工夫がされています。それだけ指揮者の先生や講師の先生、或は生徒さんが作品を良く理解し考えられたのだと感心します。作曲者は作品を完成するにあたって1つの形を描くので固定のイメージがあります。ですから実際に演奏している現場の方が“音楽がスムーズに流れるよう聴かせるカット”ができるのかもしれませんね。

さて、前置きが長くなりましたが今回は【輝きの海へ】【はてしなき大空への讃歌】などの代表作に出てくる打楽器の奏法について解説します。こちらは知っているか、知らないか、の問題なので打楽器の先生がいらっしゃらず、どうして良いのか判らないバンドもあると思いますので写真付きでお知らせします。

○ コントラバスの弓で擦る(arco)

グロッケン(Glockenspiel)をコントラバス(Conrtabass)の弓(Bow)で擦る奏法で“ヒィーン”と美しい音が響きます。デ・ハスケの楽譜には“Bow with a double bass bow”と書かれていますが、写真のように楽譜に指定された鍵盤を垂直に摩擦するように弓で弾きます。楽器が古く鍵盤の弓に当たる場所がガタガタになっていたり、丸まってしまっている場合、弓が痛んでしまっている場合は“スー、スー”とむなしい音になります…。又、グロッケンを箱(ケース)から出さずに演奏を試みているのを見かけますが…恐らく不可能だと思います。弓を持つ時も初級者は写真のように両手でしっかり摩擦が起こるように固定して弾くと成功率が高まります。下から上に弾くか、上から下に弾くかは恐らく決まりは無いと思いますが、前者の場合、鍵盤がはずれてしまう可能性もあるので後者が良いかもしれません。

○ ティンパニの上にシンバルを乗せてロールする。ペダルは自由に上下すること。

ティンパニ(Timpani)の上に(Cymbal)を横から見てV字型に置きます。そして、そのシンバルをマレットでロールしながら、ティンパニのペダルを上下にアドリブで動かすと“ウォーン〜ウィーン”といった“うなり声”のような不思議な音が出ます。よくシンバルをV字型に置かず逆にしてしまっているのを見かけますが、こちらは誤りです。“コトコトコトコト”といった音になります。シンバルは不安定な状態で良いのです。又、シンバルをロールせず、単にシンバルを置いてティンパニの方をロールしているのもよく見かけます。同様にこちらも誤りでこの意図とは違います。デ・ハスケの楽譜には“Put a cymbal on timpani and roll it around”“Move the pedal of timpani up and down and change pitch freely”と書かれています。尚、ロールの強弱についても自由に付けて強調されると、より効果的ですね。