やぎりん日記

やぎりん!こと、作曲家の八木澤教司の日記です! 日々の体験や感じたことを書いていきます!
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● シンガポール第2日目

3月 19, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

昨夜はあまり寝付けなかった。やはり英語が思うように話せない悔しさからです。私の実力の限界値まで出して上手く行かないならば諦められますが、上手く言葉(英語)で指示が出せない、コミュニケーションが取れないために良い演奏が出来ないことは悔しい、以前に演奏者にとっても失礼。物理的に限界があったとしても精一杯の想いは伝えて明日は彼らにとって良い舞台にしたい。そんな想いのみで辞書を引いて少しでも直接自分の言葉で伝えられるようにできる準備を午前中いっぱい行いました。

11時に三浦さんとホテルのロビーで待合せ。昨日の状況など話すと「八木澤さんならば大丈夫ですよ」と私が自信を失わないように気遣いをしてくれる。Steven Phua氏とNTU Symphonic Band(大学)の指揮者である大浦武洋先生を三浦さんとお引き合わせ昼食。

昨日とは異なる中華料理店。美味しい料理を食べながら午後から行う、明日のゲストバンドとして参加するRaffles Girl’s School(中学校)の練習が気がかり。運良くこのバンドの指揮者も大浦先生。昨日の反省を生かし、それを再びある夜の大学の練習で生かさなくてはなりません。

学校へ到着し明日演奏して頂く【ペルセウス】の演奏を大浦先生の指揮で演奏して頂く。とても勢いのある演奏で可能性の秘めたバンド。このバンドも私の指揮で明日の本番を迎えるので本日のリハーサルがとても重要。この今しか練習のチャンスはない。早速、私の指揮で練習開始。 前日ということ中学生ということ、そして何よりも言葉(英語)の問題があるため練習の仕方をストーリーに合わせて流れを重視したものに考えました。実は昨日の大学の練習では数小節で止め“5小節目の3拍目のイントネーションをクリアに、そして4拍目のmpの音色が〜”と、かなり細かい指示を通訳して頂いていました。実際、指摘した場所は良くなっていきますが、多くの時間を費やさなくてはならなく、直接私が説明できないため全体の流れを踏まえた話をすることができなかったという反省点があるからです。ギリシャ神話の情景を上手く大浦先生は通訳してくださり、次第に私も本当に伝えたい内容を集約して通訳して頂くコツを掴むことができてきました。生徒さんたちも私の指揮に良くついてきてくれる。微妙なタメや音の方向性も見えて来て手応えの感じる内容のあるリハーサルが出来ました。三浦さんも“いつもの八木澤さんらしい音楽が出ていますよ。生徒さんたちも実力の限界値まで着いて来ているのが判りますよ”とのこと。厳しい神長さんも“まだ細かいところは問題あるが充分なレベルだ”とのこと。何とか無事に午後は乗り切ることが出来ました。生徒さんたちと写真撮影。そしてサイン会をしていると。。。急に三浦さんがクラリネットパートのレッスンに入りました。生徒さんたちはCD【ペルセウス】を聴いて練習していたので、その演奏をしている名古屋ウィンドシンフォニーの三浦さんが楽器を吹き出すと感激の歓声。後半部のコラールを生徒さんの楽器を使用して美しく奏で終えると割れんばかりの拍手。一瞬で生徒さんたちを魅了してしまった。そして三浦さんもサインの群れに囲まれました。写真はクラリネットパートと三浦さん。

大浦先生と共に最後の NTU Symphonic Band(大学)のリハーサル会場へ向かいました。早く着いたので学生さんと共に学食(ファースト・フード)で夕食。練習は午後の練習の要領を生かして【サグラダファミリアの鐘】【邯鄲の夢】を無事に終え、昨日一番課題の多かった【ヘリングの朝】1曲を残すのみとなりました。この曲は同じ大学生である東北福祉大学の委嘱作品ということもあってメインに持って来ていました。シンガポールのバンドは日本のように部活動として練習が行えず、中学生も高校生も大学生も週に2回授業として行うのみ。そういった事情を知らずに私は難しい【ヘリングの朝】を選曲してしまっていました。しかも試験などもありなかなか大変な事情だったようだ。昨日はポイントをお伝えした後に“同じ大学生の委嘱作品であること、こういった縁がきっかけで将来はNTUと東北福祉大が交流できるきっかけになれば”という言葉を残して練習を終えていました。1日で演奏が大幅に変わるはずがない、、と覚悟して指揮を降り出すと昨日とまるで別バンドの演奏。細かく指摘したことを100%に近い状態で理解し練習してきてくれている。軽く通した後、感謝の言葉を大浦先生に伝えて頂き練習をすぐに終えることにしました。そして“私は英語は上手く話せないけど遠慮なく話しかけてほしい、明日の本番は細かいことよりもライヴを楽しもう!”と呼び掛けました。あとは私自信の問題だ。彼らは私以上に努力してくれた。私があとはコミュニケーションが取れれば上手く行くはずだ。いずれにしても良い雰囲気で明日の本番を迎えることがてきそうです。

夜はユーフォニァムの三浦徹先生、指揮者のDouglas Bostock氏も含めて皆でホテルのBARで前夜祭。色々な言語が混ざる話題に包まれ深夜12時過ぎに解散。神長さんは相変わらず体調が良くないということなので(ちなみに日本でも調子が良い、という返事を聞くことは年に2〜3回程度なので口癖なのかもしれません)三浦さんと2人で2次会。そして3次会と深夜3時まで行いました。シンガポールは日本よりも街が美しいし治安も良く安心した生活が出来ました。三浦さんに本番に向けてのアドバイスを頂き最終チェックの時間となりました。ちなみに三浦さんは英語ペラペラで店員の女の子と仲良しになっていました(笑)。

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