ピアノとオーケストラのための霧の道

■作品名 (Title)
ピアノとオーケストラのための霧の道
■委嘱団体 (Commissioned organization)
越谷市民交響楽団に献呈
■編成 (Instrumentation)
■作品No (Work No)
003
■作曲年 (Composition year)
2001
■グレード (Grade)
■演奏時間 (Duration)
■参考音源 (Audio Sample)
■出版社 (Publisher)
■解説 (Commentary)
ピアノとオーケストラのための《霧の道》
~越谷市民交響楽団のために~
越谷市民交響楽団

―初演を終えて―

  • (上記はゲネプロの様子)多くの皆様からメールでご感想を頂きまして作曲家として大変嬉しく思っております。
  • 又,作曲者としての《霧の道》のイメージを聞かせてほしいと言うご要望もありましたので
  • この場をお借りしまして「初演を終えて」としましてご紹介させて頂きます。初演を終えて―《ピアノとオーケストラのための霧の道》(2001)の初演は見事にピアノとオーケストラが会話をしながら
  • 幻想的な世界を創りあげていきました。
  • 演奏者の方々もご来場の皆様も種々多様に印象を受けられたようです。独奏ピアノの織茂さんは初演だという緊張感の中「暗譜」で演奏するというプロ根性をみせてくださいました。
  • 指揮の天野さんも作品の意図をよく研究してくださり「霧の道」が目の前に現れるような表現を創りあげてくださいました。
  • 越谷市民交響楽団の皆様は「参考演奏」のない新作を初演するという難題をはるかに超え客席のお客さまを音楽の世界に引き込む演奏をされていました。
  • 作品の意図とは?
  • 実はこの作品は今までの私の作風と傾向が大きく異なるものでした。
    今までの私の作品(主に吹奏楽曲)はメロディーラインの明瞭性と素材の展開を分かりやすく書いていました。
    しかし,今回はこの2点を別の視点からアプローチしているのです。
  • 音楽愛好家の方々には「映画音楽のような聴きやすさ」が印象に残っているはずです。
  • 専門的に聴かれた方には「古典的な素材の発展や音楽の構築性」に興味を持たれたはずです。
  • このコンセプトの成功にはピアニストの織茂さんの多大なアドバイスが含まれています。
    また織茂さんの独奏で再演されることを心より楽しみにしています。
  • ご協力を頂きました皆様に心より御礼申し上げます。

初演の独奏ピアノ(客演)を手がけた織茂 学さん

織茂 学(おりもまなぶ)

ピアニスト。武蔵野音楽大学卒業後,ニューヨーク・カーネギーホールなど海外での演奏活動を行う。本年もハンガリーにおいて公開予定である八木澤教司の《ピアノと吹奏楽のための協奏的組曲》の客演ソリストを任されている。また,国内では時代変遷をテーマにしたピアノリサイタルを開催する他,テレビ,ラジオ,新聞等では現代作品の初演に関する独自のコンセプトを語り注目を集める。
現在,ソロ,コンチェルトを中心に活動を行う傍ら,現代音楽,ポピュラーなどの分野でも期待されている。
織茂学のホームページ

  • 作品について
  •  三年前,越谷市民交響楽団の委嘱作品として手がけた《管弦楽のための譚詩曲~飛翔の時》は大きな鳥が大空へ旅立つイメージでした。
    今回はその飛び立った鳥が霧の中をさまよい,そして脱出するストーリーを描写した作品でした。
  • その鳥にあたるのが独奏ピアノで霧の世界をオーケストラで表現したのです。
    鳥は幾多の困難を乗り越え,再び大空に駆け上がる様子が客席の皆様には見えたようで何よりです。
  • この作品は5つの場面から成っています。
  • 第一部:霧の中で
  • 6つに分割されたヴァイオリンによって「霧」が創り出されます。
    ここでは鳥が霧の中をさまよう場面で,楽曲中に用いられる様々な動機の断片がちりばめられています。
  • 第二部:霧を駆けめぐる鳥
  • 深い霧の中を駆けめぐる鳥をイメージした壮大な場面です。
  • 第三部:懐かしい光
  • ピアノのソロが始めて現れるます。ここでは大空をゆったりと飛んでいた記憶を回想してます。
  • 第四部:妖精の踊り
  • 鳥は妖精たちと出会い,妖精たちと交流を深めた鳥は大空へ旅立つ時が近づいていきます。
  • 第五部:大空へ
  • 大空へ旅立った壮大な場面。鳥は自由を得ることができたのです。

関連記事

  1. 管弦楽のための譚詩曲「飛翔の時」

  2. 管弦楽のための狂詩曲「極氷の光」

  3. 陽炎の遺跡