[曲目解説]
6人程度のアンサンブルから入門者を含む20人程度の小編成吹奏楽で演奏できるフレキシブル版。
蒼天の空に羽ばたく“渡り鳥の群れ”は、自然や天敵と戦いながらも目的の大地を目指します。そんな鳥たちに、チームワークを大切にしながら日々練習に励む吹奏楽部の生徒さんたちの姿に重ねて描写した作品です。力強い勇気とエネルギー、冒険への旅立ちと困難、目的の大地へ到着、大空へ讃歌を捧げる…このようなシーンを想像しながら書き上げました。
原典版(標準編成)と小編成版は兵庫県西阪神地区中学校有志(西宮市立浜脇中学校、上甲子園中学校、甲陵中学校、今津中学校、苦楽園中学校、大社中学校、上ヶ原中学校、高須中学校、真砂中学校、瓦木中学校、宝塚市立宝梅中学校、三田学園中・高等学校の12校)の協同委嘱作品として作曲。石井健昭先生の指揮、西宮市立浜脇中学校吹奏楽部によって2016年に世界初演されました。
[吹奏楽編成での演奏にあたって]
フレキシブル版は極少人数で演奏できることを考慮に改編していますので、上級者を含む大人数で演奏する場合は逆に音が多くなり過ぎて、色彩感が出しにくくなります。現場の実情で音の差し引きをすることは不可欠ですので、全て認めています。原曲を参考に場面によって金管楽器を休みにして木管楽器のみで演奏するなど工夫をしてください。どの楽器がどのパートを演奏すべきかについても現場の判断で決めて頂いても良いですが、練習を長く続けていくことで上達していくとサウンドが変わってきます。状況に応じてパートを入れ替えるなど工夫をして頂くことをお勧めします。また、打楽器の音量バランスは管楽器の人数に応じて判断してください。オクターブで記されているパートは演奏者の技術に応じてどちらを選択しても構いませんが、メロディラインが埋もれてしまうなど問題が生じないよう「客席にどう聴こえているか」を意識した音楽創りを研究してください。個性豊かで素敵な演奏に出会えることを楽しみにしています。
Part 3:T.Sax.が上の音、Clarinetが下の音を奏する。
Part 4:B.Cl.とT.Sax.が上の音、Clarinetが下の音を奏する。