「稜線の風」― 北アルプスの印象 / ”Soaring over the Ridges” – the Impression of the North Alps

■作品名 (Title)
「稜線の風」― 北アルプスの印象
“Soaring over the Ridges” – the Impression of the North Alps
■委嘱団体 (Commissioned organization)
富山ミナミ吹奏楽団委嘱
■作品No (Work No)
011
■作曲年 (Composition year)
2002
■グレード (Grade)
3+
■演奏時間 (Duration)
約8分50秒
■演奏可能最低人数 (musician)
40人
■参考音源 (Audio Sample)
ブレーン
■出版社 (Publisher)
ブレーン
■解説 (Commentary)
「稜線の風」~北アルプスの印象
~富山ミナミ吹奏楽団委嘱作品~
“Soaring over the Ridges” – the Impression of the North Alps (2002)
Commissioned by Toyama Minami WindOrchestra

「稜線の風」―北アルプスの印象この作品は《吹奏楽のための抒情詩「秋風の訴え」》に続く,富山ミナミ吹奏楽団の委嘱作品で,同団が全日本吹奏楽コンクール三年連続出場を果たしたことを記念して作曲したものです。作曲するにあたり,2002年の9月中旬,同団の音楽監督兼指揮者である牧野誠先生,副代表の浅尾誠さんと共にアルペンルートへ取材に旅立ちました。黒部ダムの放水と共に輝く虹や壮大に連なる山々は,私の想像を遥かに越える美しいものでした。反して地獄谷での異様な雰囲気や硫黄の嫌な匂いは絶望的な恐怖をも感じさせ,この自然の表裏関係には言葉を失うほどでした。しかし地獄谷から登りあがると突然美しいミクリガ池が姿を表し,この神秘的な情景は私に生きていることへの感謝と自然に対する深い感動を与えるものでした。
このように「稜線の風」は私自身が直接肌で感じとった北アルプスの印象を,空から鳥になった視点で描写した冒険ストーリーです。心を込めてこの作品を書くことができたのは,団員の皆様の温かいご協力と励ましのお陰だと,心より感謝しています。
「稜線の風」は2002年12月8日,同団第23回定期演奏会[オーバードホール]にて初演されました。

■「稜線の風」は千葉県市川市立新浜小学校吹奏楽部の委嘱作品《吹奏楽のための音詩「輝きの海へ」》と姉妹作にあたる作品です■
■ピアノ内部奏法の演奏方法はこちらをご覧ください。ピアニストの織茂学さんによる写真付の解説があります。
※尚,ピアノの内部奏法はホールによって禁止されている場合があります。
演奏会,イヴェント等で演奏される場合はホール係員と打合せをされると思いますので必ず事前に確認をしてください。
尚,禁止されている場合でも正しく奏法を伝えることによって,理解が得られ演奏可能になる場合もあります。
(ホール係員への交渉は吹奏楽部顧問の先生,団の責任者が行うようにしてください)
これらの説明の仕方や,奏法について不明なことがありましたら同じく織茂さんにご相談ください。
■ピアニスト織茂学のホームページ■
又,コンクールで演奏される際も参加される地区の吹奏楽連盟事務局へ事前にご相談ください。
決して無理をして強行手段に出ぬようご注意ください。二度とホールを使用できなくなる恐れがあります。

● ピアノ内部奏法がホール,又は吹奏楽連盟より禁止された場合 ●
誠意を持って交渉したにも関わらず,ピアノ内部奏法の許可が得られない場合は類似した効果音をそれぞれのバンドでご考案頂ければと思いますが,「全く見当もつかない・・・」という場合もありますので一応代替案をお知らせします。

■ ピアノの高音の弦を爪で擦る奏法 ■(「L」の2小節目)
(1) ハープの高音のglissで代用をする
(2) シンセサイザー類でチェンバロの音色を指定し残響を付けて奏する

■ ピアノの内部にホースを設置して,トロンボーン用のマウスピースを(ホースに)付けて吹く奏法 ■(「L」の3小節目)
(1) ホラ貝を奏する
(2) テューバのベルの中にホースを入れて,トロンボーン用のマウスピースを付けて吹く
(3) シンセサイザー類で効果音を創り出す

■ ピアノの指定弦を指でミュートしてから鍵盤を弾く ■(「L」の8小節目)
(1) ティンパニでハードマレットを用いて奏する
(2) シンセサイザー類で効果音を創り出す

● 総合的な対策 ●
この「L」は既にご存知の通り「地獄谷」を描写しています。
「楽譜通り正確に演奏する」ことにこだわるよりも「地獄谷の雰囲気を表わす」ことの方が大切です。
極端な話ですが,楽譜を真面目に演奏して頂くよりも
それぞれのバンドで個性あるアイデイアをご考案して頂き
更なる「地獄谷らしさ」を表現して頂きたいと思っています。
管楽器や打楽器の奏法も含め「L」~「M」にかけて
楽譜に記されているのはあくまでも「ガイド」です。
個性のある演出わ楽しみにしています。

☆この曲は下記のような風景を描写しています☆

黒部ダム

曲の冒頭は黒部ダムを囲む山々を壮大に描写している。言葉では語りきれない信じがたい風景。こんな山々を鳥になって雄大に旋回できれば!!という着想なのだ。木管群の流れるメロディーと共にホルンの絡みが雄大に奏される。

連なる山々

まさに稜線。ギラギラと輝く太陽。しかし全く暑くはない。山々から心を和ませるような涼しい風が流れてくるのだ。都会育ちには判らない不思議な感覚だ。どこを見ても山ばかり。しかし全く同じ風景は存在しない。こんな世界を空から眺めてみたいという思いが曲に反映されている。

地獄谷

美しい風景とは裏腹に地獄谷が姿を表す。嫌な硫黄の匂いがする。息が詰まりそうだ。まさに表裏一体という自然の摂理を思わせる。現代奏法を用いた書式で描写してみた。

ミクリガ池

地獄谷を登ると美しいミクリガ池が目の前に現れた。『天国と地獄』そのものだ。この風景が一番私の心に感動を与えた。生きていて良かった!感動的なエンディングをこの場面で迎えたい。壮大なコラールで描写した。

■編成 (Instrumentation)
Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe
Bassoon (opt.)
Eb Clarinet
Clarinet 1
Clarinet 2
Clarinet 3
Alto Clarinet (opt.)
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1
Alto Saxophone 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone (opt.)

Trumpet 1
Trumpet 2
Trumpet 3
Flugel Hn (opt.)
Horn 1
Horn 2
Horn 3
Horn 4
Trombone 1
Trombone 2
Trombone 3
Euphonium 1
Euphonium 2
Tuba
String Bass (opt.)
Piano
Harp (opt.)

Timpani/4台
Percussion 1/Glock〔コントラバスの弓が必要〕, Chimes
Percussion 2/Sleigh-Bell, Windchime, Vibraphone, Suspended cymbal, Gong
Percussion 3/Wood block(Claves), Triangle(3),Cymbals, Gong, Bongo
Percussion 4/Suspended cymbal, Windchime, Gong, TomToms(4) Bongo, Triangle(3)
Percussion 5/Bass Drum

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