花の香る季節に~3つの木管楽器のために
原曲は箏合奏団「絹の会」の委嘱で作曲した3楽章形式の長めの作品でしたが、それを木管フレキシブルのための3重奏として改編しました(CDレコーディングはフルート、クラリネット、アルトサクソフォーンで行いました)。
「日本は四季を感じる素晴らしい国」と言われていますが、日本で育った私にとって正直それは「あたりまえ」のことで近年まで実感がありませんでした。しかし最近は客演指揮、指導、講習会などで他国へ招かれる機会が増え、日本の良い面を再確認すると共にこれまで意識していなかった「日本の四季」の素晴らしさを改めて感じるようになりました。
原曲が日本の伝統楽器である箏のために書いたこともあり、和を感じるタッチで作曲していますが、この音楽は純粋な和をイメージしたものではありません。なぜならば現代の日本には純粋な和はほとんど存在せず、様々な国の良き文化を取り入れて、それらを融合して我々は生活しているからです。ですから演奏にあたっても古典的な和のイメージにこだわらず、現代の感覚で自由に想像を膨らませてお楽しみ頂きたいです。 |