甲府市民吹奏楽団創立40周年記念委嘱作品として作曲し、向山こころさんの指揮、同団によって2008年の春に初演されました。作曲にあたって【甲府市民吹奏楽団の拠点地である山梨の美しい自然を描写すると共に、同団の紆余曲折しながらも音楽を通し団結してきた40年の歴史を重ね併せた内容を持つ作品】というご依頼を頂きました。私は作曲をお引受けする時は必ず事前にそのバンドの練習に伺い、練習や宴会の雰囲気を肌で感じて、作品がより身近なものになるよう意識して作曲しています。今回も作曲前にその雰囲気を感じに伺いましたが、偶然にも私の《太陽への讃歌―大地の鼓動》を練習されていて、心を込めて演奏されている様子には大変感動したのを覚えています。又、同曲に関するエピソードをお話した際に涙を流しながら聞いてくださる団員さんもいて、なんて純粋な気持ちの持ったバンドなんだろう、と深く感銘を受けました。“幅広く演奏される曲になることを強く望みます”という同団副団長・安藤不二男のさんの温かい笑顔が今でも忘れらません。
小編成版(最低20人で演奏可能)はブレーン社のご依頼によって今回のCDレコーディングのために制作したものです。原曲である標準編成版と同等のサウンドが出せるよう意図して改訂していますので、共に幅広いレパートリーとして親しまれることを願っています。 |