■ 夢の華 ― 六甲山に咲き誇る[委嘱作品・世界初演]/八木澤教司 作曲
六甲ヴェルデ吹奏楽団第20回記念定期演奏会委嘱作品。「神戸らしい作品を」というご要望、どんな作品を書くべきか大変迷いましたが、始めて団の練習に伺った時に街並を見て何よりも感じたことは日本らしさの中に異文化が共存された独特な空間がある地だということでした。練習後の懇親会では音楽監督である深田哲也先生の穏やかなお人柄、そしてメンバーの皆さんの温和かつ、時には音楽に対して厳しく追求する強い意志も感じられました。それを「武士のような魂」と例える冒頭、時の流れと共に「異文化」が融合していく様、若き新しい世代に希望に満ちた未来を託すといった、温故知新をテーマにした作品。これは様々な葛藤やご苦労があったであろう20回(年)の歴史とも重ねています。又、多くの困難を乗り越え「復興」を成し遂げたこの地は今日の日本にとって何よりの希望の地とも言えるでしょう。重たくやや暗い印象から始まるこの作品は曲全体にパズルのように散りばめられ動機が一つの「歌」となり、若さ溢れるポップな雰囲気で幕を閉じます。深い想いが祈りとなって、天に届くように…。[初演プログラムノートより]
作曲家:八木澤教司 |