「モアイ」― 太陽を見つめる七体の巨像 / Moai – The Seven Giant Statues Gazing at the Sun

■作品名 (Title)
「モアイ」― 太陽を見つめる七体の巨像
Moai – The Seven Giant Statues Gazing at the Sun
■委嘱団体 (Commissioned organization)
陸上自衛隊東部方面音楽隊 委嘱
■作品No (Work No)
023
■作曲年 (Composition year)
2004
■グレード (Grade)
3+
■演奏時間 (Duration)
約7分30秒
■演奏可能最低人数 (musician)
35人
■参考音源 (Audio Sample)
ブレーン
■出版社 (Publisher)
ブレーン
■解説 (Commentary)
「モアイ」ー太陽を見つめる七体の巨像
Moai ― The Seven Giant Statues Gazing at the Sun (2004)
■ 陸上自衛隊東部方面音楽隊委嘱作品 ■イースター島(ラパ・ヌイ)には様々な伝説がありますが,なかでも島全体に600体以上も存在するという「モアイ像」は最も有名な遺跡ではないでしょうか。ほとんどのモアイ像は海岸線に立ち,陸の方角を向いているなかで,唯一アフ・アキビの七体のモアイ像だけは内陸にあり,しかも海の方角を向いているのです。そしてこの七体のモアイ像は単に海を眺めているのではなく,年に二度,春分・秋分の日に太陽の沈む地点を見つめていると言われています。この作品は多くの謎を秘めたアフ・アキビのモアイ像をテーマにして,絶海の孤島「イースター」の情景と共に描写したものです。古代人が先祖を神格化して作ったというモアイ像は,長い歴史のなかで何を見てきたのであろうか・・・。☆この作品は下記のような風景をイメージして作曲しています☆

今回のテーマとなったアフ・アキビの七体のモアイ像
オロンゴ ラノ・ララク(モアイの製造場所)

これらの写真はHP「moai モアイ」管理人である三牧秀教さんより快くご提供頂いたものです。
作曲中,私はこのホームページで写真をはじめ多くの情報を頂きました。
この場をお借りしまして深く御礼申し上げます。
更に多くの写真をご覧になりたい方は右記をクリックしてください。「moai モアイ」

■ 作品について ■

[モアイ」は今までの私の作風を踏襲する雰囲気を持たせながら,古代人らしさを探究した土俗性や場面転換のさせ方など,形式的に新しい傾向を持った作品を目指しました。
初演を聴かれた天野正道先生とお会いして一言目に「八木澤くんの美しいコラールの良さを残しながら,今までと違ったタイプの形式で新鮮だったねぇ」とお言葉を頂けたので,まだまだ未熟な作品ながら「意図」は反映できたのではないかと思っています。

今回,委嘱を頂いた陸上自衛隊東部方面音楽隊は,天野正道先生の「おほなゐ」~1995.1.17阪神淡路大震災へのオマージュを委嘱初演した団体であることもあり,私は以前より卓越した演奏技術,表現力の高さに大変憧れを持ったバンドでした。

幸いにも委嘱作品の制作にかかる前に,先駆けて行われた6月の第41回定期演奏会において,市川市立新浜小学校吹奏楽部の委嘱作品「はてしなき大空への讃歌」を演奏して頂ける機会に恵まれ,練習と本番を通し隊員の皆さんの雰囲気に触れることができ大変貴重な経験をさせて頂きました。
その際,委嘱作品は難解なものではなく,今後幅広く演奏される作品にしてほしいというご要望も受けました。

副題に「太陽を見つめる七体の巨像」とあるように,この作品は旅行者が観光としてイースター島の風景やモアイ像を肌で味わった感覚ではなく,
長い歴史のなかでモアイ像自身が何を見てきたのか,モアイ像の視点になってイースター島の風景や古代から現代までの歴史を縮小化して描写したものです。
従って「稜線の風」の時のように取材旅行に行ったりしていません(本当はとても行きたいのですが…)。
私自身の古代遺跡への憧れを含め想像を膨らませて書いた作品なので,演奏する際はイメージを最大限に膨らませて自由な解釈で楽しんで頂けましたら幸いです。

尚,余談ではありますが現在,執筆している川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の委嘱作品(2004年12月23日初演予定),続けて執筆予定の習志野ウインドオーケストラの委嘱作品も古代文明に関連させた連作にする予定です。

■ ストーリーはこんな感じです ■

薄明かりの海。水平線の彼方を眺めていると太陽が次第に登り,イースター島の美しい風景を眩しく照らしていきます。
穏やかな海,壮大な自然を眺める古代人たちは生きていることへの素晴らしさを実感し感謝します。
無数のモアイ像たちはそんな人々をじっと見守り続けています。

古代人たちはモアイ像の製造に力を注ぎます。場面は土俗的な雰囲気へ移ります。
モアイ像の中には正座をするもの,まげのあるものなど日本と何らかの関係を訴えかけるものがあります。
これらは謎の領域ですがこのような不思議な雰囲気を曲想に反映させました。
ちなみにラノ・ララク(モアイの製造場所)から無数のモアイ像を海岸沿までどのように運んだのかも未だに解明されていません。

中間部では4声がそれぞれ意志を持って絡み合う「八木澤コラール」が出現します。
木管の低音域から開始される今回のコラールは古代人の純粋な精神と信仰心を表わしたものです。
余談ではありますが,現代においてもイースター島の住民に「古代の人々はモアイ像を製造場所から海岸沿までどのように運んだと思われますか?」と質問すると,
「モアイ像は海岸沿まで自ら歩いて移動したのですよ」と返答されるそうです。
それほど信仰心の強い民族なのでしょう。
上記,写真を提供して頂いた三牧秀教さんも「ラノ・ララク(モアイの製造場所)を目の前にした時の感動は、今でもはっきりと覚えています。
今にも動き出しそうなモアイたちを見ていると,つい昨日まで本当に歩いていたような感じさえしました。」とおっしゃています。

一転して部族間,他民族との争いを描写する急速なテンポの場面となります。
戦いは信念と民族を守るために行われたのです。
戦いには失うものもたくさんありますが,この古代人の精神と意志は後世に受け継がれる尊いものです。

そしてこの急速なテンポのなかで再び中間部のコラールが合成されながら再現されていきます。
終結はイースター島の美しい自然に感謝の気持ちを込めて盛大に幕を閉じます。

このように約7分40秒という短い時間なかで次々に音楽が展開されていく作品です。

■編成 (Instrumentation)
Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe (opt.)
Bassoon (opt.)
Eb Clarinet (opt.)
Clarinet 1
Clarinet 2
Clarinet 3
Alto Clarinet (opt.)
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1
Alto Saxophone 2
Tenor Saxophone
Baritone SaxophoneTrumpet 1
Trumpet 2
Trumpet 3
Horn 1
Horn 2
Horn 3 (opt.)
Horn 4
Trombone 1
Trombone 2
Trombone 3
Euphonium
Tuba
String Bass (opt.)Timpani/4台
Percussion 1/Xylophone, Vibraphone〔コントラバスの弓が必要〕, Chimes, Triangle
Percussion 2/Marimba, Glockenspiel, Claves, Windchime, Triangle
Percussion 3/Suspended cymbal ,Antique cymbals, Temple Block, Hi-hat cymbal
Percussion 4/Bongo, Windchime, Snare Drum
Percussion 5/Bass Drum, Vibra-slap, Flexatone, Claves, Conga, Tambourin
※ 打楽器は共有可能。

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