「レムリアー失われた大いなる遺産」 / Lemuria – The Lost Continent

■作品名 (Title)
「レムリアー失われた大いなる遺産」
Lemuria – The Lost Continent
■委嘱団体 (Commissioned organization)
広島大学吹奏楽団 委嘱
■作品No (Work No)
016
■作曲年 (Composition year)
2003
■グレード (Grade)
4+
■演奏時間 (Duration)
約23分00秒
■演奏可能最低人数 (musician)
45人
■参考音源 (Audio Sample)
ブレーン
■出版社 (Publisher)
ブレーン
■解説 (Commentary)
レムリアー失われた大いなる遺産
Lemuria – The Lost Continent

第一楽章:緑の楽園“レムリア”[約8分]
1st Movement : The Paradise of Greenery ” Lemuria ”

第二楽章:宇宙を讃えて~霧雨の砦[約6分]
2nd Movement : Praising the Universe – The Fortress in the Drizzle

第三楽章:都市の沈没~後世に託された平和[約8分]
3rd Movement : The Civilization Going Down – The Peace to be handed down

ムー大陸,アトランティスと共に知られる謎の三大陸の一つレムリア。
高度な文明,美しい緑に包まれたレムリア大陸はなぜ滅びたのか。
その真実を知るものは誰もいない。
情報社会と言われ何不自由なく暮らすことのできる現代にもほんの少し先に危険が迫っているかもしれない。
「平和であることに感謝するきっかけになってほしい」それが今回のテーマなのです。

この曲は演奏時間20分を越え,私の吹奏楽曲のなかで最長のものとなりました。
「輝きの海へ」「稜線の風」「フランボワイアン」「はてしなき大空への讃歌」と自然を扱うテーマが続いてきたところに“大陸”というテーマ。
これらのシリーズの集大成なった全三楽章の作品です。
※各楽章を単独で演奏できるようにしました!

■ 広島大学吹奏楽団委嘱作品 ■

作品解説の前に、この作品ができるまでの経緯について少し触れたい。
今年の三月下旬に一通のメールが届いた。広島大学吹奏楽団の指揮者を務めるという八木真也さんからのメールだ。
以前より私の作品に興味を持ち、特に富山ミナミ吹奏楽団のために書いた「稜線の風~北アルプスの印象」に深く感動したこと、そして可能ならば広島大学吹奏楽団にも新作を書いて頂けないかという内容が丁寧に書かれていた。
幸いにも私は一ヵ月後に開催される広島ウインドオーケストラの定期演奏会に出席することを予定していたので、まずは直接会い交流を深めることにした。

当日、八木さんと何名かの学生さんたちとの会話は、初対面にも関わらず楽しく和やかに弾み、今回の委嘱作品のテーマは団員の皆さんからの希望を募り、それを参考にして書くことに決まった。

後日、海や山などの様々な情景を描写する「自然」、現代の国際社会で問題になっている紛争や戦争の恐怖、それに対して未来への平和と希望を訴えかける「戦争と平和」。
そして広島大学吹奏楽団の目標である「楽奏」という大きく三つのテーマが届いた。

これらのテーマを吟味し集約したものが、この「レムリアー失われた大いなる遺産」なのである。

レムリアはムー大陸,アトランティスと共に知られる謎の三大陸の一つだ。
高度な文明,美しい緑に囲まれたレムリア大陸はなぜ滅びたのか。
その真実を知るものは誰もいない。
情報社会と言われ何不自由なく暮らすことのできる現代にも、ほんの少し先に危険が迫っているかもしれない。
私は多くのことを考え、五線紙と向かい合った。

第一楽章“緑の楽園―レムリア”は美しい緑に囲まれた文明都市と、その人々の生活を描写している。
第二楽章“宇宙を讃えて―霧雨の砦”は夜空に輝く何億もの星を讃える人々、そして闇への恐怖心や不安、霧雨への寂しさなど人々の心情を描いた間奏曲である。
第三楽章“都市の沈没―後世に託された平和”は平和であった楽園が崩壊へ向かい、海底へ沈没する様子を直接的に描写した。

人々は危険が迫り全てを失った時、いかに平和であることが素晴らしいものであるかを悟ったのである。
二度と同じ過ちを繰り返してはならない。人々はこの意思を後世に託し、祈りを込めて平和を讃えたのである。

「平和であることに感謝するきっかけになってほしい」―これが作品に込めた、私の願いなのである。

■編成 (Instrumentation)

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