「ひまわり、15本」 ~ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに寄せて
新潟県長岡市立中之島中学校吹奏楽部委嘱作品。私は様々な理由があってこれまで中学生バンドからの委嘱作品は引受けていませんでした。ですが同吹奏楽部顧問である桐生聡先生とはデビュー当時から親しくさせて頂いていることもあり、先生の熱い想いに心打たれ与えられた多くの制約(作品のテーマ、展開の仕方、個々の技量、ソロ楽器の指定やチャイムなどの現場で入手困難な楽器の使用禁止、演奏時間)のなかで作曲することを決意しました。「ひまわり、15本」はオランダの画家・ゴッホ(1853~1890)の“ひまわりシリーズ”の中でも最後の作品で、署名もなく“贋作”とも呼ばれる“認められない”作品です。桐生先生の「力がなくとも、途中の挫折は幾度となくあるが、気持ち・努力・情熱・狂気というほどのやる気で成長し、結果にむすびつく…たとえ認められないときがあったとしても」という言葉をもとに、この絵画とゴッホの人生の両面を描写しました。桐生先生と生徒さんたちはこの曲で情熱のある演奏をコンクールで披露し、2010年には念願の西関東吹奏楽コンクール出場・金賞を受賞されました。
[楽譜:原典版〈中編成30人程度・グレード3+〉、小編成改作版〈20人程度・グレード3〉] |