★ バルセロナ第3日目サグラダファミリア!
今更ですがホテルのレセプションで「私のプランって朝食付いてましたっけ?」と聞くと「もちろん。美味しいよ」と会場を教えて頂きました。予想以上に豪華でとても美味しい。昨日も食べれば良かった…。今日はバルセロナ最大の目的であるサグラダファミリアに行きます。一番重要なところだったので、あえて最後日近くに行くことにしていました。堀越高等学校吹奏楽団委嘱作品【サグラダファミリアの鐘】を書く時にかなり調査しましたし、顧問である吉澤隆先生から多くの資料も頂いていたので実物はどうなのか、本当に興味がありました。とは言えサグラダファミリアの建物を描写したというよりも、ガウディの生き様や情熱、そして弟子たちの想いを描写した作品なので見たからといってイメージが変わる訳では無いと思いますが、やはりその空気を感じたい。作品を書いた2009年ではまだ今のように海外遠征をしていない時代なので、たった一人でバルセロナに訪れる勇気も語学力も無く、さらには気軽に友人を誘って行ける場所でもなかったのです。今だからこそ行ける、ましてや【サグラダファミリアの鐘】の印税でバルセロナに行けるのだから名誉と言ってもよいでしょう。
サグラダファミリアに行く前にグエル公園に訪れました。ここもガウディの設計によるものでグエルとはガウディにとって最も重要な人物で貧しいガウディのスポンサーとなった大富豪です。どこの国でも、どこの時代でも人との出会いで人生は変わります。どんなに才能があってもチャンスを掴まなければ出世することはできません。ですが着実な仕事をコツコツと積み上げた人はチャンスやタイミングを見ることができます。ガウディもたまたま大学の恩師が依頼されたパリ万国博覧会に出店する手袋メーカーが商品を展示するためのショーケースを恩師の代りに引受けることになります。恩師は忙しく小さな仕事をする時間が無かったのです。ですが万博では手袋自体よりもショーケースが大富豪グエルの目に止まり交流が始まります。そしてグエルの紹介で多くの建築の委嘱を受け、ガウディは有名になっていくのです。このグエル公園としては地理的な問題が生じプロジェクトとしては当時失敗に終わりますが今では重要な場所となっています。雨が降っても晴れていても対応出来る歩道、大家族でも顔を見合わせて会話できるベンチなどガウディの相手の立場にたったアイディアが存分に発揮された場所です。ここまで工夫がなされているとは想像を超えていました。
サクラダファミリアはある意味、想像通りでした。ローマ法王が訪れることをきっかけに内装を急ピッチで仕上げたこともありグロテスクな表面とは違った白色の美しい内部も一般公開されていました。パイプオルガンの美しい音色が会場全体を包み込んでいました。エレベータで上まで登ることも出来て存分に満喫することが出来ました。ただガウディが一体一体の彫刻を多くの時間を費やし再考し創っていた時代と死後、コンピュータ処理によってどんどん急ピッチで仕上がって行く今ではやはり何かが違う気がしました。良くも悪くも明らかにガウディの彫刻と弟子たちの彫刻も違いがあります。もちろん素晴らしいことには変わりはありませんが少し勿体ない気持ちになりました。ガウディはサグラダファミリアを自分の全財産を投資してライフワークで進めてきました。今も特別なスポンサーは無く観光客の入場料が資金となっていると聞きました。サグラダファミリアに多く訪れ少しの入場料を支払うことが私達にできる唯一の協力なのかもしれません。