やぎりん日記

やぎりん!こと、作曲家の八木澤教司の日記です! 日々の体験や感じたことを書いていきます!
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Archive for 3月, 2012

■ 国内での活動!

3月 30, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

バルセロナ&パリから帰ってすぐ数年ぶりに大分県に行きました!大分南高等学校吹奏楽部の定期演奏会に客演指揮者としてお招き頂きました。顧問の野村浩之先生とは転任前の佐伯豊南高等学校吹奏楽部時代からのお付き合い。野村先生の熱いハートは健在でした。この大分南高に転任されて3年目。当日、コンクールで銅賞クラスであったこのバンドを赴任一年目で【輝きの海へ】を演奏し金賞を受賞。その当時の卒業生もこの演奏会には大勢駆けつけてくれました。卒業生が「野村先生と出会えて良かった」「野村先生のお陰で頑張れば夢が叶うことを知った」と涙を流しながら想い出話をしている様子に感動しました。彼らの想い出の一部に私の作品が大きく関われたことは誇りです。演奏会自体も現役生が一生懸命に音楽創りに励み素晴らしいものになりました。会場も立見が出るほどの予想を超える集客。関係者にとって感動の一日であったと私も気持ちの良い時間を過ごさせて頂きました。これからも益々、頑張って頂きたいです。写真は大分やぎりん会の皆さん!

大分から直行したのは東京都。合唱指導者としても著名な渡瀬昌治先生主宰の「春の合唱セミナー」の講師にお招き頂きました。今回はこの講習会のための委嘱作品である【コスモスの花の高さ(同声)】【朝の花がひらくように(混声)】の2曲に加え光を抱こう(混声)】【あすという日が(同声版のみ)】を小金井市立緑中学校、府中市立本宿小学校の皆さんをモデルとして公開レッスン形式で指導。同時に秋に向けてリリースされるDVDの撮影も兼ねて行われました。この4作は全て山本瓔子先生の詩によるもの。山本先生もゲスととしていらっしゃり朗読や詩を書かれた想いなどを語って頂きました。特に【あすという日が】に込められた想いを聴かれた聴衆は涙を流し、最後は心の底からの歌声がホール全体に響き渡りました。写真は同じくゲストに招かれた合唱界の人気作曲家、大田桜子先生を囲んで。

翌日は千葉県立市川昴高等学校吹奏楽部の定期演奏会。本年より統合されましたが昨年までの市川西高等学校にはデビュー当時からお世話になっています。昨年の委嘱作品である【華麗なる終焉へのオマージュ】が新たな一歩として再演されました。昨年は地震の関係もあり練習も出来ずホールも計画停電のため予定していた時間が使えず、やむを得ず平日の昼間に演奏会を開きました。条件の悪い中、昨年も素敵な演奏をして頂きましたが、本年は渾身の想いの込められた説得力のある音楽創り。心より感動しました。今後、益々レベルアップされるであろうサウンドを垣間見ることが出来ました。

☆ パリ・ギャルドの練習に感激!

3月 19, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

バルセロナから今年度3回目となるパリへ!バルセロナの空港は広くバル(BAR)もたくさんあって飛行機に乗る前からたくさん呑んで食べて。。。パリは過去2回は日本人街と呼ばれるオペラ地区のホテルに泊まっていましたが今回はパリの中心でもある北駅からすぐの三ツ星ホテルに。しかし最悪の事態…。恐ろしく治安が悪い…。どうやら人が血まみれで倒れたりしているようで黒人の群れで通りがいっぱい…。パリは油断し空港から電車で北駅まで向かい、徒歩でホテルに大きなスーツケースを持って移動するため、この雰囲気の中、一人で移動するのは本当に恐かったです…。その後、武蔵野音大の同期の保井理恵さんと世界的なサクソフォン奏者のジェローム・ララン氏と合流して情報収集!保井さんは既に半年パリに住んでいるのでベテラン。カルネという電車の回数券までプレゼントして頂きました。またララン氏の夜行ドライブで初の夜エップェル塔を見ることができました。なんとこの後、エッフェル塔は深夜1時にキラキラとプラズマのように光り輝くのでした!これは驚きました!翌日は頂いた回数券で1人で地下鉄に乗り印象派の起源となったクロード・モネの「印象—日の出」を鑑賞!これでほとんどのパリの観光名所を制覇!

又、今回のパリの大イヴェンは世界的に有名なパリ・ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団の練習に特別に見学させて頂くこと!何と普通の音楽室程度の大きさの場所で練習しているため、ハープ奏者の横という奏者の位置で3時間のリハーサルを聴けました。コンサートのように客席で聞くのではなく、こんな近くで生の音が聴けるなんて想像もしていませんでした。ギャルドはフランス国家憲兵隊の共和親衛隊の軍楽隊であることもあり練習会場の周りには馬がたくさんいて、匂いまでしっかりと漂うという事実を体感しました。さて、演奏は驚くべきレベルの高さ!多くがパリ音楽院を首席クラスで卒業したメンバーなのでソルフェージュ力が半端じゃ無い…。身体に染み付いたソルフェージュ能力と1曲1曲の作品のために縦横を合わせチューニングメーターでピッチを合わせるのでは次元が違うと思い知りショックでした。又、音色やタンギングに種類がたくさんあって曲によってしっかりと使い分けをしているので音楽が色彩感ある絵画のように動いて聴こえます。 こんなレベルの高いリハーサルがこの世に合ったとは…本当に刺激になる時間でした。メンバーも皆さん温かい方ばかりでした!写真はララン氏、そしてギャルドの第9代楽長フランソワ・ブーランジェ氏。

メンバーの方も交えてランチ後はリードメーカーで有名なバンドレン社にも訪れました。社員さんには一般吹奏楽団に属している方もいて八木澤作品もよくご存知!楽譜やCDの入手方法などもご質問頂きました。観光名所モンマルトルの丘のすぐ近くにバンドレン社があるとはなかなか知らない事実ですね…。

さてパリではもう一人武蔵野音大の同期の木幡亮仁くんとも合流しました。3日間、ララン氏や大学の同期と食べて呑んで楽しい時間を過ごせました。しかし食べ過ぎ、吞み過ぎ…、常にお腹が膨れている状態でした…。やはりフランスではデザートもたくさん食べてしまいますね…。

★ バルセロナ第3日目サグラダファミリア!

3月 16, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

今更ですがホテルのレセプションで「私のプランって朝食付いてましたっけ?」と聞くと「もちろん。美味しいよ」と会場を教えて頂きました。予想以上に豪華でとても美味しい。昨日も食べれば良かった…。今日はバルセロナ最大の目的であるサグラダファミリアに行きます。一番重要なところだったので、あえて最後日近くに行くことにしていました。堀越高等学校吹奏楽団委嘱作品【サグラダファミリアの鐘】を書く時にかなり調査しましたし、顧問である吉澤隆先生から多くの資料も頂いていたので実物はどうなのか、本当に興味がありました。とは言えサグラダファミリアの建物を描写したというよりも、ガウディの生き様や情熱、そして弟子たちの想いを描写した作品なので見たからといってイメージが変わる訳では無いと思いますが、やはりその空気を感じたい。作品を書いた2009年ではまだ今のように海外遠征をしていない時代なので、たった一人でバルセロナに訪れる勇気も語学力も無く、さらには気軽に友人を誘って行ける場所でもなかったのです。今だからこそ行ける、ましてや【サグラダファミリアの鐘】の印税でバルセロナに行けるのだから名誉と言ってもよいでしょう。

サグラダファミリアに行く前にグエル公園に訪れました。ここもガウディの設計によるものでグエルとはガウディにとって最も重要な人物で貧しいガウディのスポンサーとなった大富豪です。どこの国でも、どこの時代でも人との出会いで人生は変わります。どんなに才能があってもチャンスを掴まなければ出世することはできません。ですが着実な仕事をコツコツと積み上げた人はチャンスやタイミングを見ることができます。ガウディもたまたま大学の恩師が依頼されたパリ万国博覧会に出店する手袋メーカーが商品を展示するためのショーケースを恩師の代りに引受けることになります。恩師は忙しく小さな仕事をする時間が無かったのです。ですが万博では手袋自体よりもショーケースが大富豪グエルの目に止まり交流が始まります。そしてグエルの紹介で多くの建築の委嘱を受け、ガウディは有名になっていくのです。このグエル公園としては地理的な問題が生じプロジェクトとしては当時失敗に終わりますが今では重要な場所となっています。雨が降っても晴れていても対応出来る歩道、大家族でも顔を見合わせて会話できるベンチなどガウディの相手の立場にたったアイディアが存分に発揮された場所です。ここまで工夫がなされているとは想像を超えていました。

サクラダファミリアはある意味、想像通りでした。ローマ法王が訪れることをきっかけに内装を急ピッチで仕上げたこともありグロテスクな表面とは違った白色の美しい内部も一般公開されていました。パイプオルガンの美しい音色が会場全体を包み込んでいました。エレベータで上まで登ることも出来て存分に満喫することが出来ました。ただガウディが一体一体の彫刻を多くの時間を費やし再考し創っていた時代と死後、コンピュータ処理によってどんどん急ピッチで仕上がって行く今ではやはり何かが違う気がしました。良くも悪くも明らかにガウディの彫刻と弟子たちの彫刻も違いがあります。もちろん素晴らしいことには変わりはありませんが少し勿体ない気持ちになりました。ガウディはサグラダファミリアを自分の全財産を投資してライフワークで進めてきました。今も特別なスポンサーは無く観光客の入場料が資金となっていると聞きました。サグラダファミリアに多く訪れ少しの入場料を支払うことが私達にできる唯一の協力なのかもしれません。

 

◇ 第2日目は近郊の都市へ!

3月 15, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

大手の会社が企画するツアーはスペイン一周を売りにするので基本的にバルセロナは半日から1日滞在すれば良い方かもしれません。しかし今回は個人なのでゆっくり4日間!実際には4日いても帰りたくないと思うほどバルセロナは魅力たっぷりなところ。しかし今回は余裕を持って違う近郊都市を散策する計画にしました。やはり作品のテーマにしたダリ自身が設計した本場の「ダリ劇場美術館」に行ってみたい。そこはフィゲラスという地域で電車は一日数本しかなく、間違えたり前回のイタリアのように電車がストライキで来なかった時を考えると初めてのスペイン一人旅では危険過ぎます。そして電車には行き先が書いていなく地元の人も間違えるとの情報もあったので思い切ってツアーに参加することに。もう一つ興味のあったジローナに行くかつフィゲラスを1日で観光するプラン。幸いにもツアー参加は私1人だけ…。ガイドさんと専属運転手と3人で車にてジローナへ。ガイドさんはバルセロナに来てすぐにフィゲラスに行く人はかなり珍しいと…。実はこのツアーあまり参加する人がいないよう…。この時期は特に学生の観光客が多くスポーツ関係の観光地が人気のよう。しかしガイドさんを貸切で最先端のスペイン情報を聴くことが出来ました。ジローナの教会ではただ外観を見るプランでしたが「一人だから中まで見に行って良いです」とのこと。とてもお得な気分!ちなみにスペインでは日本食レストランが流行っているようです。でも写真の通り「健康」を「件項」と間違って名付けられたレストランです。発音は一緒ですが日本語は難しいですね…。私も英語で同じ間違いをたくさんしているのだと反面教師です。

フィゲラスに到着すると1時間30分自由行動。そうそうバルセロナもフィゲラスもトイレが本当にキレイで驚きます。ファーストフード店でもツヤツヤ真っ白で驚かされます。たまたまかもしれませんが空港もそうだったし数十ヶ所行ったトイレはどこもキレイ。これまでの他のヨーロッパでは感じられなかった一面でした。ダリ劇場美術館はガイドさんが一つ一つの作品の意図や魅力を丁寧に解説してくれました。これは1人で何となく入館しても判らないことばかりで、さすがプロと感じる瞬間でした。ダリの独特な感性や発想、人を驚かせようとする考え方が垣間見れる美術館でした。ダリ自身の墓まで美術品として展示されていて圧倒されます。又、ツアーに含まれていなかったダリ宝石美術館もせっかくだからとガイドさんがご案内してくれました。とてもお得な1日。

ホテル近くのカタルーニャ広場で解散、というか車を降りて1人でBAR(バル)へ!昨日よりも高級そうな雰囲気の店で昨日以上に食べて呑みましたが3000円ちょっと。しかも美味しくて仕方が無い。イタリアでの美味しい料理も感動しましたが、ここではまた違った感動があります。しかも明らかにイタリアよりも安いし、気軽に1皿でも食べれる雰囲気が魅力ですね。現地の人たちはバルをハシゴする形で店を転々として呑んで食べるようです。

◆ 初めてのバルセロナ第1日目!

3月 14, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

羽田空港発の深夜のJAL便にてパリに向かい乗継ぎ、エールフランスで生まれて初めてのバルセロナへ向かいました。色々と興味のあるものも多いし、これまで作品のテーマにしてきたサグラダファミリアなど世界遺産もたくさん。ただインターネットやガイドブックを見ると本当に不安になるほどの治安の悪さが目につきました。しかし意外にも危険はありませんでした。現地の人に聴くと、確かに以前は特に日本人を狙った強盗やスリが多発していたようですが、ここ最近は警察の数も路上に増え比較的に安全になってきたとのこと。思ったよりも歩道が広く見晴らしも良いので昼間の時間ならば、よほど不用心で無い限り大丈夫な感じでした。むしろイタリアやフランスの方が雰囲気が恐いです。今回、使用したAvenida Placeというホテルはビートルズも泊まったというカタルーニャ広場から徒歩5分の人気ホテル。偶然何となく予約したのですが四つ星で一人で泊まるには勿体ない雰囲気なホテルでした。ほとんどの観光名所が徒歩で行けるかつタクシーも市内ならば1000円以下で行けてしまうほど安い。到着早々に散歩。

バルセロナにある現地ではあまり評判の良くないダリ美術館(本場はフィゲラスにありバルセロナのは本当にダリだか怪しいとのこと…)、確かに私しかお客はいませんでした…でも意外に良いです→ピカソ美術館→カタルーニャ音楽堂→チョコレート博物館と安全に徒歩移動。チョコレート博物館はアニメのキャラクターやサグラタファミリアなどがチョコで創られていたり、製造の歴史や手法などが紹介されているかつ、食べることもできます。お土産ショップも付いていて面白いデザインの可愛らしいチョコがたくさん。

夜はスペイン名物でもあるバル(BAR)に行きました。1人で入るのにちょっと心配でしたがカウンターは女性1人でも気軽に入れる雰囲気。レストランと違って食べたいものをまるで日本の寿司屋のカウンターのようにオーダーできます。しかも恐ろしく美味しい。噂通りスペインは日本人好みの味です。そして何とビール2杯、グラスワイン4杯、そして写真のような食べ物を10数個以上食べているのに3000円以下なのです。何よりもタクシーにしてもバルにしてもチップを受取ろうとしない…。あまりのサービスの良さに無理矢理、チップを手渡してきた感じです。今日は半日でしたが存分にバルセロナを満喫しました!

◆ バルセロナ&パリに出発!

3月 13, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

3月11日(日)に開催された21世紀の吹奏楽第15回“響宴”では実行委員会の委嘱作品《タイ北部民謡による狂詩曲「ラン・パーン」(グレード:2+、6分20秒、20人から演奏可能)》は無事に東海大学附属高輪台高等学校吹奏楽部によって世界初演されました。初演後の楽譜は解禁になっていますので、ぜひ小編成バンドの皆さんに演奏して頂きたいと思っています。又、同日にシアトルで開催された東日本大震災へのチャリティコンサートでもワシントン大学ウィンドアンサンブルの委嘱作品《「グラティチュード・ジャーニー」〜永遠なる陸奥への想い》も世界初演されました。こちらはやはり東北のバンドが日本初演をするべきと思い東北地域で最も縁のある東北福祉大学吹奏楽部が4月22日(日)のスプリングコンサートで日本初演を行う予定です。

さて今日はまた新譜が完成しました。NPO邦人吹奏楽振興ネットワークの委嘱作品として吹奏楽レパートリー開発のために手がけた《「伊賀伝承譜」〜悠久なる忍びの掟》は4月8日(日)三重県総合文化センターで開催される第22回津西高等学校吹奏楽部によって世界初演されます。私が自ら客演指揮として伺うことになっていますが翌日からは第1回フィリピン吹奏楽フェスティバルのゲストがあるため名古屋経由でマニラに行くといった強行スケジュールなので体調管理に気をつけなくてはなりません。津西高はどんな演奏をして頂けるのか楽しみです。

さて徹夜明けですがこれよりバルセロナ&パリまで行ってきます(3/13-3/21)。バルセロナは基本的にプライベートでの取材で、今まで書いてきたテーマである〈サグラダファミリア〉〈ダリ美術館〉〈ミロ美術館〉などを訪れる予定です。ヨーロッパに一人で行くのは初めてかつスペインはヨーロッパで一番スリなど犯罪が多いと聴くので何かと心配なところです。言語はスペイン語とカタルーニャ語のようですが全く話せませんし、勉強する時間も下調べをする時間もありませんでした。 何とか無事に帰ってきたいと思います。帰国後は大分で高校生の客演指揮を務め、すぐにシンガポールへ行きます!

★ グランドキャニオン&ワシントン大学!

3月 01, 2012 By: S.Yagisawa Category: 日記

ロサンゼルスへ出発する当日に急に体調不良に…。初めてのロサンゼルス滞在で体調不良なのは非常に心細い。しかも数日後にはシアトルに移動してワシントン大学ウインドアンサンブルのリハーサルに立会う任務もあります。JAL便がシアトルへの直行便が無いという理由だけでロサンゼルスを経由したことに少々後悔しながらも空港へ向かいました。今回は予算が限られていたのでエコノミークラスなので、この体調で10時間以上の飛行はかなり大変…。ラウンジでも軽く食事をしただけでお酒も呑めず…。ただ幸いチェックインカウンターで「八木澤様、本日はエコノミークラスをご予約頂きましたが、こちらの事情で座席を多く販売した関係で、プレミアムシートにグレードアップしても宜しいでしょうか?大変ご迷惑をおかけしますが…」と天使の声。しかしらがら何と謙った対応だろう…。いずれにしても命拾いしました。飛行機では水分のみで食事をせず映画も見ずに永遠と寝続けたので、ロサンゼルス到着した頃にはすっかり元気になっていました。入国審査はシカゴ並みに質問が厄介でしたが…。ホテルチェックインまで数時間あったので空港発でホテルまで送迎してくれる市内半日観光ツアーに参加。一人でツアーに参加するのは初めてでちょっと心配でしたが無駄の無いツアーで楽しめました。ちょうどアカデミー賞授賞式を2日前に控えた状態だったのでハリウッドは取材陣やカメラがたくさん。久しぶりにアメリカのマクドナルドでアングスバーガーを食べましたが凄いボリューム。

又、ロサンゼルスからグランドキャニオンが1時間30分のプロペラ飛行で行けるという情報だったのでブーンと行ってきました。飛行機の中はコックピットが見えるほどの狭い空間。意外にもあまり揺れず、窓からは永遠に広がる砂漠がすぐ下に見えて圧倒されました。グランドキャニオンは別の惑星では無いかと思うほど異空間。写真で撮りきれるレベルでは無く行かないと判らない壮大な世界でした。一人でツアーに参加したからこそ、この世界に浸ることができたように感じます。なかなか一人旅もハマりそうです。翌日は博物館などを見たり情報収集をしたり。ロサンゼルスは意外にも都会という印象は受けませんでした。ホテルのフロントであっても英語になまりがあり聞き取りにくい感じで中にはスペイン語のような言語を話す人も。色々と発見の多い滞在でした。

シアトルではワシントン大学の博士課程のディスカッションの授業に参加(日本の吹奏楽や自作についての話題)させて頂いたり、ウインドアンサンブルで委嘱作品【「グラティチュード・ジャーニー」~ 永遠なる陸奥への想い】(原題:JOURNEY OF GRATITUDE- Caring Together for The Tohoku Region of Japan)のリハーサルをしたり。私の指揮にピッタリと合わせてくる学生さんの反応の良さに感激しました。今回は通訳を付けて頂いたのでワシントンでは全く不自由無く生活できましたが逆に頼ってしまって反省しています。ですがそのお陰で高校の先生方たちと交流をする中で今までのアメリカ滞在では見えなかった濃い話題に触れることができました。アメリカの文化、考え方、吹奏楽や音楽との関わり方など内面的な話題が多く刺激になりました。又、私自身、日本の吹奏楽に対して最近疑問に思っていることを外国からの視点ではっきりと指摘されることもありドキッとする場面も。どこの国に行っても「日本の吹奏楽はレベルが高い」とこれまで褒められるように言われてきましたが、実際に本心ではどのように思われているのかを考えさせられます。「では、アメリカでは良き吹奏楽指導者とはどんな先生ですか?」という私の質問に対して「生徒が求めていることは何か、生徒に必要なことは何か、それはその生徒にできることなのかを見極め的確な指導をする先生です、もちろん生徒1人1人に対してです」という言葉が妙に印象的でした。今回は実際にアメリカの高校での吹奏楽の“授業”を見学させて頂くことで多くの勉強をさせて頂きました。アメリカは吹奏楽は部活動ではなく授業(教育)であると改めて実感しました。又、シアトル交響楽団首席トロンボン奏者の山本浩一郎さんにもお会いしてディナーをご一緒して貴重なお話も伺えました!