○ ひまわり、15本
今日は中学校としての初の委嘱作品となる【「ひまわり、15本」— ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに寄せて】の練習のため新潟県長岡市立中之島中学校吹奏楽部に伺いました。これまで中学校からの委嘱は私のポリシーもありお引き受けしていませんでしたが、同吹奏楽部顧問である桐生聡先生とはデビュー当時から親しくさせて頂いていること、この数年間に何度か練習にお邪魔させて頂く機会に恵まれ先生の熱いご指導、生徒さんの音楽に取り組む姿勢を肌で感じ感銘を受け作曲をお引き受けすることにしました。何よりも部活の体制、特に生活指導に関する雰囲気が私自身の卒業した当時の中学校吹奏楽部にどことなく似ていることが愛着を持った理由なのかもしれません。作曲にあたって桐生先生より作品のテーマ、展開の仕方、楽器の指定、演奏時間といった細かな資料を頂き、時には同じ歳ということもあって電話で議論をしながら書き進めていった作品。桐生先生は「自分のバンドだけではなく出版された時に多くの中学生が親しみ取り組みやすいように」という強い信念があり、技量に関してもそうですが「チャイムなどの大型楽器は極力使用しないで欲しい」といった教育現場ならではの要望もありました。「絵画シリーズ」というだけでも重いテーマかつ、このような制約があり苦労はしましたが、一ヶ月ほど前にようやく完成し本日実際に聴かせて頂くことになりました。
桐生先生と2年ぶりにお会いして握手。桐生先生の想いを改めて聴かせて頂きながら校舎へ向かいます。先生の音楽に対する情熱、生徒さんのことを第一に考え試行錯誤されていることが痛いほど伝わり、本当に素晴らしい先生だなぁと感動しました。校舎につくと武蔵野音大の後輩であり同吹奏楽部の金管トレーナーの藤田豊先生と再会。先日の浜松のクリニックの時にも既にスコアを手にし、常に勉強されている様子の伺えた藤田先生。生徒さんたちと玄関までお迎えにいらしてくれていました。本当に雰囲気の良いバンドだ。やはり自分自身の中学校吹奏楽部のスタイルにとても良く似ていると再確認。実際に演奏を聴かせて頂くと、とても優しく温かいサウンド。桐生先生と生徒さんの信頼関係の伝わるサウンドだ。まだ譜読みをして一ヶ月足らずだというのによくここまで演奏しているなと感心。私が指摘した箇所は、その場で見えるように修正していける生徒さんの能力にも驚きました。参考音源もない、頼るガイドのない作品を一生懸命「自分たちの音楽」にしていく様子には感動しました。4時間近くの練習は、時間を感じさせないくらい速く過ぎて行きました。それは恐らく生徒さんの気合いが一瞬たりとも途切れることがなく「やる気のある目」を常に見続けていたからであろう。1つの作品を書き上げることは辛い。ですが、こういった瞬間に立会えると「作曲家になって良かった」と思います。中学2年生の時に“作曲家になろう!”と心に決めた当時を想い出す楽しい時間を過ごさせて頂きました。桐生先生と生徒さんに心より感謝します。
終了後は打合せも兼ねて桐生先生と藤田先生と宴会!そして何と新潟から新幹線で新潟明訓高等学校吹奏楽部顧問の桝口和義先生が駆けつけてくれました。桝口先生もデビュー当時からのお付き合い。新潟県で最も八木澤作品を演奏しているという意味でも最近は全国的に知られています。そして元・長岡市立東北中学校吹奏楽部で【輝きの海へ】を演奏してくださった河野純子先生も柏崎より駆けつけてくれました。桝口先生と河野先生は同時期に【輝きの海へ】を選曲されていて、デビュー当時のまだ駆け出しであった私は何度も新潟に伺い先生方に励ましを頂きながら練習のお手伝いをさせて頂いていました。河野先生の演奏する西関東大会での感動的な【輝きの海へ】は今でも鮮明に覚えています。写真右は桐生先生(左)と藤田先生(右)、写真左は左から私、河野先生、桝口先生。あまりの楽しさに、もの凄い勢いでビールを呑んでしまいましたぁ。料理も最高!
二次会は桐生先生の関係で他の学校の先生方の宴会に合流。何と偶然にも東京から出張中?のバンドディレクターである野上博幸先生、打楽器奏者の寺山朋子先生にも再会。他にもたくさんいらした記憶がありましたが吞み過ぎで記憶が曖昧です。写真は左から野上先生、桐生先生、寺山先生です。二次会終了後、ホテルへ戻りましたが、フロントでラーメン終止をすることが決定!桐生先生と藤田先生と3人でラーメン屋めぐり。かなり探してようやく辿り着きました。今回は普通にラーメンを食べようとしたら、桐生先生より“三条名物のカレーラーメンを食べてください!”とのご推薦。ここは三条ではなく長岡では?と一瞬思いましたが、結局試してみたくなりカレーラーメンを。。。とても美味しく後悔はしませんでしたが、カレー蕎麦がラーメンになっただけ、のような気がします…。桐生先生とがっちり握手をして解散。楽しい一日でした!