☆ シンガポール吹奏楽コンクール課題曲!
先週、シンガポールの文部省が「The Singapore Youth Festival 2011 Central Judging of Concert Bands」、すなわちシンガポールの「2011年シンガポール吹奏楽コンクール」の作曲者が私であることを公表しました(公表されるまで極秘任務でした)。今回、シンガポール文部省の委嘱により「中学生レベル」「高校生レベル」の2曲の課題曲を作曲させて頂きました。コンクールに参加する全ての団体はこの2曲のどちらかを演奏することを義務づけられます。ただ高校生が中学生向けを演奏しても良い感じで、その逆も良い感じです。ちなみに事情があったようで割と緊急でのご依頼ではありましたが、シンガポールには2度訪れているし、バンド事情もある程度把握しているので大役ではありましたが思い切って引受けさせて頂きました。何よりも日本以上の勢いで既に私の作品を多く演奏くださっているシンガポールの吹奏楽界を応援したいという気持ちもありました。中学生レベル(アメリカ基準グレード2.5〜3)として作曲したのは【MEMORIES OF FRIENDSHIP】。2/4拍子の明るいマーチで約3分40秒程度。高校生レベル(アメリカ基準グレード3〜3.5)として作曲したのは【THE SINGAPORE FLYER】。「シンガポール・フライヤー」とはシンガポールにある世界最大の大観覧車のことで前回シンガポールに行った時に実際に乗ることができました(写真)。こちらは序曲スタイルで約3分55秒。2曲共4分以内という規定がある他、グレードに応じた音域の制限はもちろん、使用できる調性、使用できる拍子なども制限があり、なかなか大変ではありましたが、アメリカ基準のグレードに詳しい作曲家の広瀬勇人さんに教えて頂いたり、その他多くの関係者の皆様にご協力して頂き何とか規定以内で完成することが出来ました。ちなみにアメリカのグレードは日本の出版社が指定しているグレードより厳格です。日本の吹奏楽コンクール課題曲は恐らく3.5〜4くらいになるのではないかと思います。私の普段書いている曲はグレード5を軽く超えますね…。大変勉強になりました。1月にシンガポールで行われる課題曲クリニックにおいて、この2曲が世界初演されることになります。どんな演奏になるのか今から楽しみです。
尚、コンクール終了後(2011年5月)は日本国内でも演奏することが可能になるため、今回多大なるお力添えを頂いたブレーンミュージックの【出版譜】として出版される予定です。今まで技術的、人数的に八木澤作品に取り組めなかったバンドも演奏会のオープニングなどに気軽に演奏できる作品なのでご期待ください!