□ 今できること、未来への充電。
ブログをお休みするつもりでした。ですが、逆に皆様にご心配をかけてしまったようです。多くの温かいメールを受け取り熱いハートを持った人たちが本当に多いことを実感しています。フランコ・チェザリーニ氏、オットー・シュヴァルツ氏をはじめとするヨーロッパの著名な作曲家やアメリカ、アジアの吹奏楽関係者からもたくさんの激励が届いています。みんな日本を心配してくれています。
東北福祉大学吹奏楽部の音楽監督である松崎泰賢先生とようやくお電話で話すことができました。連絡が取れず、学生さんたちも心配していましたが、自宅のある蔵王の山から歩いて仙台市内まで降りてこられたようです。私は涙をこらえながら先生の声を聴いていました。松崎先生の声、こんなに優しい声だったんだ…。いつもあたりまえに聞こえていた声に喜びを感じたほどです。松崎先生は「被災地のことを想う気持ちも判りますけど、八木澤先生は被害にあっていない地域にどんどん行ってくださいよ、実感していることを伝えるのも先生の役目です、やがて復興に向けて動き出す時には必ず音楽は必要になりますから」。松崎先生の分までしばらくは私が頑張るつもりです。
何日か前に深刻なニュースの合間にチャンネルを変えると見覚えのある懐かしい場所が映っていました。ヴェネツィアのサンマルコ大聖堂の前の広場です。どうやら野外で音楽のライヴをしているのですが、聴き入ってしまいました。どこかで聴いたことがあると思ったらイタリアの映画音楽の巨匠として知られるモリコーネ。作曲者自身の指揮による演奏、心に染みます。You Tubeで探し毎日聴いています。
あの地震発生から8日間、予定がキャンセルになったこともあり私はどこもいかず10年ぶりに自宅で過ごしています。精神の充電を今のうちにして未来へ向けて動き出す準備をしたいと思います。そして今年、統合になる関係で学校名を失う千葉県立市川西高等学校吹奏楽部の定期演奏会(3/29)のための委嘱作品を追い込みをかけています。市川西としての最後の演奏会です。デビュー当時から関わり「ザ・ウエスト・シンフォニー」全曲を初演した学校です。計画停電の関係で作品を書くペースがまだ上手く掴めていませんが3/23に練習があるので、そろそろ限界値です。生徒さんたちはいつもの生活とは違うなかでも一生懸命、練習に励んでいるようです。
3/24からは奈良〜京都〜福岡〜愛媛〜奈良〜兵庫〜ニューヨークと予定通り演奏会やリハーサルに伺います。音楽をしたくてもできない環境にある人たちのためにも全力でベストを尽くしたいと思っています。それが今、私にできることです。