◎ 全国大会!
本日は第57回全日本吹奏楽コンクール大学部門の開催日。昨日の夜に福島のいわきから戻ったばかりでしたが、東北福祉大学吹奏楽部が委嘱作品【「ヘリングの朝」〜そして暗闇は光に満ちた…】を演奏してくれるので名古屋国際会議場へ朝一で向かいました。今回、行動を共にするのは小学校、中学校、高校と長い時間を過ごした親友の風間学くん。彼とは中学校の吹奏楽部を通してより深い信頼関係が生まれ今日に至っています。彼は音楽の仕事をしている訳ではありませんが、いつも相談に乗ってくれたり助けてくれたりする本当に大切な仲間なのです。そういった友人が出来たきっかけを創ってくれた中学校吹奏楽部の3年間は私にとって最高の 財産であり、私も現在の中学・高校生、もちろん大学生たちにも、そういった濃い仲間を創る時間を創ってほしいという願いを込めて作品を書いています。
名古屋駅に到着するとお馴染みの名古屋ウィンドシンフォニー団長の三浦幸二さんと合流。3人で“いつもの”味噌カツセット定食を食べました。“いつもの”というのは、あのCD【ペルセウス】レコーディングの時に毎回食べいたのです。本当に美味しい!風間くんは初めてだったので大変喜んでいました。会場に到着すると既に演奏開始の5分前。何団体か聴いてロビーで歓談していると東北福祉大が演奏する課題曲Vの作曲者である江原大介さんと“八木澤さん?”“もしかしたら江原さん?”と全くの初対面でしたが出会い意気投合。そこにいつもお世話になっているオリタノボッタさんがいらっしゃって3人で記念撮影。そんな和やかな時間を過ごしながら東北福祉大の演奏を待っていました。
今回の東北福祉大の演奏は東北大会にも増して本当に素晴らしいものでした。こんなにも心を込めて演奏して頂き作曲者として本当に嬉しいですね。【ヘリングの朝】はこれまでの2年間の絵画シリーズではありません。学生さんと相談し彼らの専攻する“福祉”に関わりのある題材を探し、より情熱や想いを込めやすいものを選びました。そこで若くも亡くなったアーティスト、キース・ヘリングの人生をテーマにしたドラマティックな作風、八木澤ワールド全開の作品です。だからこそなのでしょうか。何よりも感動したのは私が想像していた以上の演奏解釈で“こんな表現方法があるのか!”と思えるほどのアプローチ。指揮者の松崎泰賢先生の音楽家としての情熱を感じるものであり、また実習などで本番まで全員が揃って練習できない環境にも関わらず心を一つにすることのできた学生さんたちの努力の賜物であると深く感銘を受けました。結果としては銀賞でしたが作曲家の中橋愛生さんやウインドアート出版の神長一康さんもその健闘ぶりを讃えていました。
今想い返せば東北福祉大との委嘱シリーズ第1作【「散歩、日傘をさす女性」— クロード・モネに寄せて】の全国大会(長野)の日は私は約2ヶ月に渡る40度を越える高熱との戦いの最中での応援。その時も風間くんと一緒でした。そして昨年の第2作【「優位な曲線」—ヴァシリー・カンディンスキーに寄せて】は【シンフォニック・エピソードI】初演の客演指揮の先約のため全国大会(大阪)には応援に駆けつけられず。今年は幸いにもインフルエンザにもかからず体調万全で聴かせて頂くことができました。そんなこともあり打上にも参加!作曲家の江原さんも東北福祉大の演奏を気に入ったようで、写真撮影から打上までご一緒してくれました。松崎先生と学生さんたちは課題曲と自由曲の作曲者と共に全国大会で打上げできることは、稀で貴重な機会だと本当に喜んでくれました。その後、江原さんと共に3次会までご一緒し既に深夜3時。その後は解散し風間くんと、大分から応援に駆けつけてくれたユーフォニァムの野口薫さんと3人で4時頃まで4次会。私は睡魔に襲われほとんど会話の内容を覚えていません。何かコンクールというよりも演奏会と思えるような楽しい1日でした。松崎先生、東北福祉大の皆さん、最高の演奏をありがとう!